一つの物語の始まり
ここは所謂ファンタジーの世界。
魔物がいて、それから身を守るために街や王国がある。
もちろん勇者や魔王もいるが、今作では出るのかわからない。
その世界で暮らす二人の盗賊達の物語である。
「面白そうだな」
ある男がそう言った。
そしてその仲間らしき男がこう言った。
「そうだろ?やってみようぜ・・・」
俺はどこにでもいる賊だ。
人を襲い、物資を奪って殺す。
魔物が蔓延る世界でまともに働いて死にに行くなんてごめんだね。
「今日はいいもんが手に入ったぞ」
仲間がそう言いながら何かを持ってきた。こいつの名前はラスタ
「ん?そいつはなんだ?」
俺は奴の持ってる見慣れないものへの疑問をぶつけた。
「ああ、こいつは今日襲った商人から奪ってきた物でな」
そう言いながら少し厚く四角の紙のようなものを俺に見せた。
「ただの紙じゃねえか。こんなもの持っててもいらねえだろ、焼いてこい」
俺はさっさとあしらうように言う。
「おいおい、早とちりすんなよ。これは商人のカードだぜ?これを使って商人の服を着れば合法的に街へ入れるんだぜ?」
ラスタがにやけながらそう言った。
「なるほど・・・だが服や取引はどうするんだ?俺達にそんな知識はないだろ」
「服は奪ったのを使う。知識はいらないんじゃないか?別に取引なんて言わなくても観光とでも言えば通らせてくれるだろ」
相変わらずこいつの無鉄砲さにはうんざりする。穴だらけの計画だ。
「お前のその傷だらけの顔で商人だなんて信じてもらえるのか?」
嘲笑気味にからかってやった。
「うるせえよ、俺は歴戦の商人なんだよ」
ラスタの返し方に思わず笑ってしまった。
「ハッハッハ!そういえば門番も快く通してくれるだろうな!」
「ハッ!勝手に言ってやがれ」
気分を悪くしたようで、イラついた時の声になっている。
「よし!これでいいな。決行は2日後だ。お前も来いよ!」
準備を終えたようなのか、外で見張りをしてた俺に話しかけてきた。
「やっぱり俺も行くんだな。まあ面白そうだからいいがな」
初執筆です。
短いかもしれませんがこれから構成を練って矛盾などが起きないように気を付けますのでこれからもよろしくお願いします。