好きですとかつきあってくださいとか言われてないですけど?
シャワーからでてきた友君がベットに腰かけた。
「ねえ、実ははじめてだった?」
どうしよう・・・・・・・ばれてた。
「実は初めてなの・・・・・・だって、もう29歳だし経験ないとか恥ずかしくて言えなくて。大人ぶってたの!すごい恥ずかしい。ごめん。」
「立花さんおちついて。謝らなくていいから。」
「むしろすげえ嬉しいというか、俺美香さんのこと大事にするから。」
きょとんとしている私の横で友君は続けて言ってる。
「美香さん年上だしそうだと思わなくて。しかもお酒強いし。俺の誘いに簡単にのるし。どんな人かわからなかったけど。そっか俺が初めての人か、なんかすげえ嬉しいですけど。」
引かれていない?てっきりめんどうな女とかいわれるのかと。
でも友君の顔をみたら本当に嬉しそうだったから安心した。
よかった嫌われていない。
「美香さん連絡先教えてよ。」
その後友君と連絡先を交換してた。
友君はタクシーで家まで送ってくれて、別れの時にまた電話するといってキスしてきて。
まるで恋人同士みたいだった。
嬉しい恥ずかしい朝帰りだけどふと現実に帰る。
これって付き合ってるになるの?
でも好きとも付き合ってともいわれてないし?
もしかしてセフレってやつですか?
さっきまでとっても幸せだったのにいっきにテンションが下がった。
しかも自分がとった行動思い出すと急に恥ずかしくなった。
月曜日どんな顔で会えばいいの?
そして、月曜日
「楓先輩おはようございます。」
「おはよう。」
楓先輩に挨拶していると向こうから友君が歩いてきて。
「美香さんおはようございます。」
「お、おはよう・・・・・・。」
この間のことを思い出して顔が赤くなってくるでもその前に走って逃げた。
せかっく友君が声かけてくれたのに恥ずかしくて逃げちゃった・・・・・・。
けど恥ずかしくて顔も見れない。
お昼
「美香さんランチ行きませんか?」
「ごめん沙織と行く約束が。」
次の日
「美香さん今日の夜飲みに行きませんか?」
「ごめん急いでるから。おさきに~お疲れ様。」
どうしよう意識しすぎて友君と全然話せない。
もっといっぱい話したいのに。
その次の日
「美香さん夜ご飯だけでも食べに行きませんか?」
「家族で外食の日なの。」
その次の次の日
「美香さん・・・・・・。」
「ごめんなさい~。」
走って逃げた。
どうしよう。逃げてばっかりだ。
友君こんな私のことどう思ってるのかな?
このままだと嫌われてしまう。
なんか泣けてきた。
その時電話がなった。
友君からだ。
おそるおそるでてみる。
「はい。もしもし。」
「よかったでてくれて。美香さん俺のことさけてます?」
もしかして怒ってる?当たり前か・・・・・・。
「そ、そんなことないよ。」
「連絡先交換したのに一度も電話もメールもしてこないし。俺がどこ誘っても断るじゃん。」
「ごめん。」
「もしかして、付き合ってるって思ってるの俺だけ?」
さっきとちがって自信なさげなちいさな声。
なにか言わなきゃと思った。
「好きとか言われてないし。」
「大事にするっていったじゃん。」
「付き合ってくださいって言われてないし。」
「もしかそれで悩んでたの?」
「そんなんじゃあないけど。」
「じゃあなんで避けるの?」
少し無言でその後思い切って自分の気持ちを伝えた。
「だって恥ずかしくて、顔見られなくて。付き合うとかしたことないからどうしていいかわからなくて。」
「この間から思ってたけど俺の心くすぐるの上手いよね?可愛すぎだろ。」
「しかも会社だし・・・・・・。」
「じゃあ会社の外なら言い訳?」
「う、うん。」
「よかった。俺美香さんに嫌われれたらどうしようかと、もうこんなに夢中なのに。」
え?友君が私に夢中?
「美香さんは俺のこと好き?」
ストレートな言葉に胸が躍る。
意地を張っている場合ではない。ここで素直にならないと友君が離れていく気がした。
「好きだよ・・・・・・もっと話したい。」
「俺も、もっと美香さんのこと知りたい。」
電話だと素直に言えたのに面とはむかっていえない。
恥ずかしくて逃げ出したくなる。
恋に不慣れすぎる。
もう29歳だし、素直になるにも勇気がいる。
だけどせっかく見つけた恋失いたくはない。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
よかったら次回も読んでくださいね。よろしくおねがいします。
ありがとうございました。