なんでいるの?
今日は昨日と違って意外と冷静な自分がいて。
仕事に没頭することで、考えないように一日過ごしてた。
けれど頭からは離れず。
よく考えても友君みたいなイケメンあたしと出会うはずもない存在。
一生分の思い出できたし、もう一人でも生きていける。
いい大人だし、さらっと別れてあげないと。
少女の用にすがったりとかひきとめたりなんて、できるはずがないのだから。
いろいろ言い訳や諦めの言葉を並べていると、携帯がなる。
友君からのラインをみる。
(美香さん今日久々に、うちきませんか?俺ちょっと会社でやることあるので家で待っていてください。)
私は返事をしなかった。
きっと友君はほかに彼女がいることに、私がきずいていると思っていない。
行くか行かないかで悩んで、1時間がたとうとしていた。
このまま逃げている訳にいかない。
いつか別れの時はくるし、鍵も返さないと。
今日あって別れを切り出そう。
結局練習したハンバーグを、ひろうすることはなかったなあ。
合鍵も一度も使っていないし。
重い足取りでとぼとぼ歩いていたのに、もう友君の家についてしまった。
七階までエレベーターで上がっていく。
会いたいけど会いたくない。
別れたいけど別れたくない。
いろんな気持ちが友君の家に近づくほど、あふれてきて苦しくてしかたがない。
友君の玄関前でインターホンも押せず立ち尽くす。
開けるのが怖い。
覚悟決めてきたはずなのに、私全然覚悟できてなかった。
悩んでいるうちに玄関のドアが開いた。
すると中から女性が出てきた。
静香さんだ。
なんでいるの?
「じゃあね、友樹またね。」
「はいはい。」
友君私を誘っといて、静香さんとも合う気だったの?
私は、張り詰めてた糸が切れたかのようにプツンなり、限界がきて怒鳴ってしまった。
「と、友君がそんな人だとは思ってなかった!」
「美香さん?」
「いくら二股かけてたとはいえ、同時に鉢合わせしないようにするのが普通じゃない?デリカシーなさすぎ。」
「美香さん何言って?!」
「それにこっちだって本気じゃなかったし、今日は鍵を返しにきただけだし。後土曜日も来なくていいから、さようなら!」
持っていた鍵を友君に投げつける。
早くその場から去りたくて、こんなに必死に走ったのは、学生の時以来だ。
これで本当に終わった。
好きだった。
いつの間に胸の中友君でいっぱいになって、こんなにも好きになっていた。
期待するなと自分にいっても、どこかで期待してる自分もいて。
胸が苦しい。
涙が止まらない。
神様、私モテ期なんて一生こなくていいから。
こんな私でも、好きになってくれるたった一人の人にモテたかった。
こんなにも人を好きになるの初めてだったから、なくしたくなかった。
大事にしたかった。
いつもは人目を気にする私も、泣きながら帰ってきたのは覚えてるが、どうやって家にたどり着いたかは覚えていない。
それぐらい周りの景色はどうでもよかった。
家に帰ると涙はもう止まっていた。
友君からなんどか電話あったけど、出る気がなかった。
会社では会いたくないので避けていたし。
明日は土曜日、陽子たちと会うことになっている。
わたしは、何事もやる気が出なくて陽子のラインにも返事をしていなかった。
そして土曜日になった。
気まずかったけど行くことにした。
嘘をついていたことを、正直に言おうと決めていたからだ。
もう意地も張らないし。
見栄も張らない。
いつも遅れ気味の私だが、今日は一番初めに来ていた。
会社にちょっとでも長くいるのが嫌だったからだ。
陽子もが旦那さんときて、つぎに明日香と旦那さんが来た。
私だけ一人だったが、陽子も明日香も話題にふれてこない。
そして綾香と旦那さんが遅れてきた来た。
皆集まったとこで私は切り出した。
「皆ごめん、実は彼氏いなかったの。だから今日は私だけひとり。」
そう嘘ついた罰が今来たのだ。
「美香何かあったの?」
陽子が困った顔でこっちみてる。
たしかに陽子には、さんざん信じてないでしょとかいてったし。
「別に・・・・・・何もないよ。」
「ごめん。私が彼付きで集まろうって言ったから、美香に変な気をつかわせた。」
「違うそういうのじゃないから、こっちこそごめん正直に言えなくて。」
「いてもいなくてもいいじゃん、美香は美香なんだからもう謝らなくてもいいよ。」
私のが嘘ついてたのに、明日香も綾香も優しい。
初めから素直に言ってればよかった。
友達っていいなあってこの時思った。
「皆ありがとう、嘘ついてごめんね。」
嘘ついてしまった自分が恥ずかしいだけどそれよりも、みんなのやさしさに泣けてくる。
さっきまで気まずかったけど今日は来てよかった、素直に言えてよかった。
初めまして(そうでない方はこんにちは。)夜空夢月です。
至らない文失礼しました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
よければ次回も読んでくださいね。
ありがとうございました。




