どっちが本命ですか?
友君はイタリアンのお店と言っていたけれど、イタリアンとフレンチが混ざったようなお料理がコースで出てきてどれもお洒落な盛り付けで見た目も美味しく味も最高だった。
最後にデザートが出てきた頃に、一人の男性が現れた。
「友樹!」
「おお正弘! 紹介するよこちら立花美香さん俺の彼女。」
「君が美香さんかお目にかかれて光栄です。」
「はじめまして、こちらこそ。」
友君がお友達に俺の彼女って紹介してくれた。
これはうぬぼれてもいいんだよね?
それにしてもイケメンのお友達ってイケメンなのね。
友君のお友達正弘さんは文句の付けどころがないエリートイケメンという感じだった。
奇麗な顔に、高そうなスーツそしてセットされた髪型とっても品がある。
二人で並んでたら歩いたら周りの女の子にきゃーきゃー言われそうだ。
なんで私この二人といるのか、不思議に思えてきた。
しばらく話していると正弘さんは忙しいようで。
「俺はそろそろ他のお客様に挨拶しなくてはならないので、この辺で失礼するよ。じゃあ美香さん楽しんでいってくださいね、友樹また連絡してくれ。」
「ああ、あいかわらず忙しいやつだな。」
正弘さんがいなくなると、デザートも食べたことだし帰ることにした。
「友君今日は、とっても素敵なところにつれてきてくれてありがとう。」
「美香さんが喜んでくれるならいつでも。」
「それと鍵もありがとう、大事にします。」
「はい。」
そういって嬉しそうに笑った友君の笑顔はとってもかわいかった。
二人とも飲んでたので今日も友君がタクシーで送ってくれた。
「友君送ってくれてありがとう。」
タクシーから降りようとする。
しかし友君に腕を引っ張られて体を引き寄せられる、タクシーのおじさんが見てるにもかかわらず熱いキスをされる。
「美香さんおやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
さっていくタクシー、見送る私。
胸が熱い。
今日はとっても幸せだった。
寝る前に陽子からのラインが来た。
(この間の今週の土曜日に決まったので19時に集合で、場所はいろはという居酒屋さんです。)
(了解。)
そうだ、友君にもラインしておこう。
(この間友達が、連れて来てほしってやつ土曜日になったからよろしく。)
(わかりました。次は俺が紹介してもらう番ですね。)
土曜日か・・・・・・今日はよく寝れそう。
けれど、この後さらなる恋の試練が待ち構えていたことはこの時の私には想像できなかった。
次の日いつもどうりに支度をし、いつもどうり会社にいくとあることが噂になっていた。
「先輩おはようございます。」
「沙織おはよう。どうしたの?今日やけに皆騒がしくない?」
「それが先輩聞いてください、あのイケメンの友君が彼女がいるって噂になっていて。ねらっていた子が多かっただけにすごい噂になっていて。」
「え?」
もしかしてつきあってるのばれたのか?
「なんでも相手が社長令嬢らしいですよ、美男美女で勝ち目ないって皆言ってます。」
「えええええええ!!」
「なんですか先輩そんな驚いて、先輩も狙ってたの?まあ私は彼氏いるので関係ないですけどね。」
「どういうこと?」
沙織の言ってることがまったく理解できなかった。
「なんでも名前呼び捨てあってるとか、友君がやたら社長室いってるとか。みた子がいるらしいです。」
さおりがまだなにかいってるけどまったく耳に入らなくて、頭の中で整理していた。
昨日は食事いって合鍵もらって別れる前にキスして・・・・・・幸せだなって思って。
そんで今日は、友君に彼女がいる?
私やっぱ遊ばれてたの?
私とその人どっちが本命ですか?
やばい・・・・・・泣きそう・・・・・・。
「美香さん!おはようございます。」
うつむいていた私に、いつもと変わらない笑顔で友君が声をかけてくる。
すると女の人が友君を追いかけてくる。
「友樹!」
この声・・・・・・間違いないあの時のあの人だ。
顔はみなかったけど、声を覚えてる。
「静香、何?」
友君も呼び捨て? 噂どうりだ。
決定的だ、私が友君の家に行く前から彼女は友君の家に行っていたし。
どっちが本命とか聞くまでもなかった。
彼女が本命だったとしても仕方がない、後から来たのは私の方だ。
泣きそうな顔をこらえ、彼女を見る。
本当に美男美女で、とってもお似合い。
「いいからちょっと来て。」
彼女が友君の腕を引っ張っていく。
去っていく二人・・・・・・いかないでって心で叫ぶ。
だけど、声に出しては言えない。
よりにもよって自分が浮気相手側になるとは、そんなことプライドが許さない。
別れよう。
大丈夫まだ始まったばかりの恋だし、傷は浅いうちがいい。
鍵も返そう。
初めまして(そうでない方はこんにちは。)夜空夢月です。
至らない文失礼しました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
よければ次回も読んでくださいね。
ありがとうございました。




