昨日のあれ本気ですか?
駅をでると会社までは徒歩5分。
時間を見ようと携帯を取り出すと、充電したたまま電源を入れてなかったことにきずく。
あわてて電源を入れる。
「美香さん!」
友君の声が聞こえて顔をあげると、会社の前に友君が立ってこちらを見て手を振っている。
会社の前で待ってるなんて珍しい、どうしたんだろう。
慌てて駆け寄る。
「おはよう、どうしたの?」
「おはようございます!俺早く美香さんに会いたくて待ってたけど、今日に限って美香さん遅いし。」
「あはははっ、ごめん。」
待ってたってことは朝早くから来てたのかな?悪いことしたかな?
「全然大丈夫でも俺,気になっちゃって昨日あんま寝れなかったから早く来ちゃっただけだから。」
気になる?何が? 友君の様子がいつもと違う。
「それで美香さん、昨日のあれ本気ですか?」
昨日のあれ? あれとは何のことだ?
「あの後ライン送っても、返事来なくて。それで電話もしたら電源切れてるっぽいし、それで朝もラインしたんですけど返事なくて。早く返事聞きたくて待ってました。」
友君が、いつも以上にしゃべってる。
「すみません、俺昨日からうかれっぱなしで。そうだったら幸せだなって考えてて。」
「えっと・・・・・・。」
昨日の何があったかを必死に考えたけど、思い当たることがない。
何かしたんだろうか?それとも何か言った?
寝落ちする前はラインの返事どうするか悩んでいた。
「ごめん。なんの話かわからない。」
「ライン見てないんですか?浮かれてたのもしかして俺だけ?」
友君の顔が赤くなる。
「うわあああ、俺恥ずかしいやつ。」
「ごめんなさい。携帯もったまま寝ちゃって、朝充電していま電源入れようとしてたとこなの。だから、見たら返事する。」
友君がほっとした顔をする。
「なんだ、よかったじゃあ後で返事して。」
「うん。ごめんね。」
「いいよ別に・・・・・・でも俺期待してもいいんだよね?」
期待?なんのことか全然わからなかったけど、ラインを見てすぐにわかった。
友君からたくさんのメッセージが入ってる。
(美香さんおはようございます。このラインきずいてるかな?)
(美香さん寝ちゃったのかな?)
(さっきのよく考えたのですが、美香さんがよければ俺はOKです。)
(美香さんなんで返事ないの?)
(美香さんさっきの本気ですか?)
そして自分が入れたメッセージを確認する、するとそこには・・・・・・。
(一緒に暮らしたい)
と入れてあった。
びっくりして顔が赤くなる。
昨日うとうとして寝落ちしてしまったが、最後に入れかけた文字が送信されている。
いつのまにかボタンが押されてしまったようだ。
どうしよう・・・・・・恥ずかしいやつは私だ。
こんな結婚願望まるだしっぽいの男の人ひくに決まってる。
あ、でも友君は喜んでた?
友君は一緒に暮らしてもいいと思ってるってことだよね・・・・・・。
それって、結婚は嫌でも同棲はOKなのか?
それはそれで複雑・・・・・・どうしようなんと返事しよう。
あれは本気じゃないです・・・・・・がっかりさせる?
一緒に暮らしたいです・・・・・・同棲とか恥ずかしくない?私生活全部その人に見せれる勇気私にある?
でも朝のおはようのチュウからおやすみなさいのチュウまで一緒とか嬉しすぎる。
いってらっしゃいのチュウとかおかえりなさいのチュウとかやたらキスシーンばかり浮かんできて、妄想が暴走する。
結局一日中妄想で、浮かれすぎてて仕事に身が入らなかった。
結局まだ返事してないし。
携帯をみると友君から新しいラインが入ってた。
(美香さんあがりですか?今日俺残業ないのでどこか夕飯いきませんか?)
(私もないからいいよ。)
(やった!会社の外で待ってますね。)
(OK!)
やっぱりあのことだよね・・・・・・と思いつつ友君を待つ。
「お待たせしました。
「おつかれさま、私もさっき来たから大丈夫。」
「今日イタリアンのお店はどうですか?」
「いいね、パスタもピザも好き。」
「知り合いがやってるとこあるんでよかったら。」
「お任せします。」
「はい。いきましょう」
友君が連れて行ってくれたお店は、大きなホテルの最上階にある夜景の見えるお洒落でやはり高そうなお店だった。
「これは友樹様いらっしゃいませ。」
友樹様?まあ知り合いのお店だからか?
それにしても知り合いのお店といってもここまで大きなお店って思わなかった。
幸い仕事があったから、スーツでよかった。
「予約してないのに、急に入れてもらってすまなかった。」
「いいえ、当店は完全予約制ですが友樹様はいつでもいらしてくださってかまいません。」
「今日は正弘はいるのか?」
「支配人はそろそろお見えになるころですが、友樹様がいらしたことはお伝えしておりますので間もなくいらっしゃるかと思います。」
二人の会話に目が点になる私。
友君こんな大きなホテルの支配人と知り合いなの?
案内された席は夜景がすぐ見れるガラス側で、夜景がとってもきれい。
「私こんなとこで食事するのはじめて、きれいだね。」
「本当にきれいです。」
友君はきれいと言いながらこっちをみてる。
一瞬夜景が?私が?と聞きたかったがやめておいた。
友君の顔が真剣だったので、てれかくしでも言うのが恥ずかしくなった。
「美香さん」
「はい。」
いつになく真剣な友君に呼ばれ、思わずはいと返事する。
「朝の話だけど、俺慌てすぎたかなって思ってそれでこれ。」
友君が差し出したのは鍵だった。
「これって・・・・・・。」
「合鍵渡しておくから、いつでも好きな時に来ていいから。」
「あ、ありがとう。」
「そんな嬉しそうな顔するなよ。」
「だってまさか、合鍵をくれるなんて思ってもいかなかったから。」
びっくりしたけど、すごく嬉しい。
今きっと私顔が、ゆるみっぱなしだ。
にやにやがとまらない。
「
初めまして(そうでない方はこんにちは。)夜空夢月です。
至らない文失礼しました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
よければ次回も読んでくださいね。
ありがとうございました。




