サマーバケーション1
「暑い...」
家にいながらもジリジリと照れつける窓越しから見える太陽は暑かった。
そう、現在は夏。夏と言えばバカンスだのプールだのアイスだの冷たいものが活躍する季節だ。
マークルは現世界、日本やブラジルがある世界と言った方が早い。と繋がっている。
マークルは別世界であるのは事実だが実はマークルの基本は日本がベースになっている。そのため公用語は日本語であるし、現世界の国々からも認められている。
現世界に行くには専用のチケットがあればいつでも行ける。
現世界でも勿論マペットは使われている。
話を戻そう。現世界の日本では梅雨だが一足早い夏となった。
「もぉ...勉強したら?」
ウィーンと掃除機をかける母が言う。
勉強をしたいのは山々だがする気にはなれないからだ。
「そうだ!海行こうぜ!」
ボルグが言った。フィンデバーテから1番近く、海がある州はニベダンテ。ちょうど隣だ。
「けど...どうやって?」
掃除機を止める母。しかしボルグは自信ありげに話す。
「マペットは必ず転送魔法を覚えさせられるんですぜ。だから転送魔法使えばいけるんすよ」
「まじか!行こうぜ」
やっとイジャにも元気が戻った。
早速二人は準備に取り掛かった。
「気をつけていきなさいよー」
下の階から母の大きな声がする。
わかったと返事し、ついに出発する時が来た。
「忘れ物はないな?」
「んだよ...親みたいに...。ないぜ」
苦笑いしながイジャは答えた。
「では、出発!」
二階からワープする。
カッ
眩しい。と思った時に目を開けるとジリジリと照りつける太陽を見た。足は暑い。
砂浜だ。ニベダンテにワープが成功した。
「来たぜ海!」
二人はそう言うと着替えに行こうとしたその時だった。
「あれ?イジャ?」
声がしたため振り返るとアンナとアンナの5人くらいのアンナの友達がいた。
「奇遇だね。遊びに来たの?」
イジャは聞き返した。うんと答えたアンナ。後ろの友達からも声をかけられた
「あんたがアンナのカレシ?」
彼女の名はナターリ。ノリがよく、面白い。
「違うっ!」
二人で突っ込んだ。しかし笑いあった。こんなに笑いあったのは久しぶりだ。
「いまから一緒に行動しない?」
「え?あ、いいけど...着替えてくるよ、ボルグと」
そう言うと更衣室に入った。
目のやり場に困ったな。水着とは言えど流石に6人には耐えられないし、半分はアンナも含めて胸は大きいし...
くだらないことでイジャはうーんと言っていたらボルグに早く着替えろよと言われ早く着替えた。
更衣室からボルグとイジャは出てくるとおぉーっ。と言われた
「意外とイジャ鍛えてんだね。ボルグは想定内だけど」
ナターリがそう呟く。ボルグは何っ!?と言うと皆で笑いあう。
「まぁ、マペットは使う以上はね。海行こうよ」
まだ発展途上だが腹筋と胸筋はしっかりついてきている。
海まで行った。流石に大人数のため、美人のアンナや有名になってしまったイジャもいると視線が痛い。
まぁ、気にせずにしばらく海で遊んだ。
昼食も食べ、海の家で皆は休憩していた。すると椅子に座っていたナターリが話しかけてくる。 近くにいると茶色のロングヘアーの彼女は可愛く見える。
「ハーレムじゃん。良かったじゃん」
笑いながら問いかけるといやいやいやと焦ったイジャをみてまたクスッと笑う。
「あ、あれか!目のやり場に困ってるんだ!まぁ、仕方ないよね。年頃の男子だし」
大きいし胸を自分で触るとイジャは赤面になり、横に向いた。
見てられない。と思ったのだろう。
ハーレムと響きはいいが大変だと実感した。
「ジュース買ってきたよー!」
アンナが沢山のジュースを運んでいたため運ぼうかとイジャは手を差し伸べる。
その時だった。
足が引っかかりアンナはイジャにあたって倒れてしまう。
どうしたとボルグ以外の皆は駆けつける
ボルグは寝ていた。
皆は近づくとうわぁあっと変な歓声をあげる。
イジャは下になっておりアンナは上に乗っかるような形で倒れている。が、胸はイジャの顔を覆いかぶさっていた。
二人は赤面になりすぐに立ち上がると海の家の角にうずくまっていた。
あははははと皆は大笑い。
結局アンナとは帰るまでには話したものの話しかけづらかったのはあった。
まだ夏休み前半とはいえ、ある意味嫌なスタートを切った。