マペット召喚の条件
アンナは家に着くと自分の部屋に行った。
ベッドにダイビングするとしばらくマペットの事について考えた。
「イジャが使えるようになったのか...凄いな...」
なんて呟くと頭を使って考え始めた。
何故イジャはマペットを使える?そう言えば何故の声がした。つまり何故の声がするのはマペット召喚できる予兆ではないの。そうならば話が早い!
とっさにカバンから携帯を出すと即座にイジャに電話をかけた。イジャが出たのはすぐだった。
「もしもし?イジャ?私なんだけど少し話せる?」
口早く言った。
「あ...うん。良いけどなに?」
「私さ、イジャが帰った後変な声がしたんだ。イジャもそんな事言ってたような気がして...どう?」
「あぁ...。聞いたよ」
聞くと驚くアンナ。すしてイジャは続ける。
「なんならボルグに変わるよ。あいつ暇してるし。」
と言うとボルグと呼ぶ声が聞こえる。すると低い声が伝わって来た。
「やぁ。確かアン...ナだっけ?」
「そうよ。いきなり本題入るけど良い?」
「いいぜー」
怠けながら答えたボルグ。しかしアンナは真剣だ。
「ねぇ、貴方はイジャに話しかけた?貴方がマペットとして現れる前。」
「なんで?」
答えるボルグ
「実は...」
イジャを見送った後の経緯を話した。
「多分、マペット。現れるぜ。」
答えたボルグ。アンナは驚きついえっと発してしまった。
「あんたの言うことは確かにマペットが現れる予兆なのは間違ってはいない。実際に俺も、イジャに話しかけたしな。」
笑いながら答える。アンナは真剣よと答えるとすまんとボルグから帰って来る。
「あとは『転機』が無いと現れないな。」
「転機?」
「そう、転機。そいつがないとどんなに声がしたってマペットは現れやしないし、本人の強い意志も必要になる。今回のイジャはわかりやすい。皆に認めさせたい。自分がどんなに魔法が使えず苦労・努力したのかを気づいて欲しいっていう気持ちがあった。強い意志と転機。この二つだ。転機は本当に突然だ。まぁ、わかったか?」
「えぇ。充分よ。ありがとう」
と言うと電話を切る。そして私にはマペットが宿っている。強い味方がついている。今は現れないが心強い。
と自らに問いかけた。
しかし一つだけ疑問に思った。
「なんで成人の儀でしか現れないマペットが高校生になると現れる?」
声にして言ってみたがわからない。
まぁ、いいや。なんて言うと机に向かって勉強を始める。
転機。それはマペットを扱わなくても人間は経験する。しかし今日まで約20年近く現れ続けている高校生マペット使い。
それはこのマークル王国にとって良となるのか悪となるのかは未だ20年たってもわかっていない。
良なるのか悪なのか。それは次第にわかることだ。
マペット自体も人間を襲わないとは限らない。事実、マークル王国ではマペットが人間を襲う事件は多発している。
強い意志が無ければマペットなんぞただの機械と言う扱いに過ぎない。