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増刊号2 しょくしつっ!

特に面白くしようとしたわけでなく、私と警察官のやり取りが面白かったので文書化しました。こういうこともあるんだよ、というお話。みなさんも気をつけてくださいな。

年末になると何かと物騒なもので、人は焦りだし、余裕のない人間は悪いことを考えるらしいです。なので何かと犯罪が頻発するそうでして。


そんなわけで、健全安全好中年な私がそのとばっちりを受けて職務質問されるわけです。軽くガサ入れです。


ただコンビニ前の駐車場に車を停めて、コーヒーを飲んでいただけなのに、カバンの中身と財布の中身と車の中を洗いざらい調べられるのです。こりゃあ、どういう了見なのかと不思議に思うのですよ。


そして私が何かをしたのかと、首をひねらざるを得ないわけです。


どうやら警察の理屈としては、100人でたらめに調べ上げて、たまたま不審物が見つかったり、危険物が発見されたり、以前から追っていた容疑者が発見されたりすることもあるから、そのたまたまをあてにして、検挙できたらいいのになぁ、と考えてるんですな。


この健全安全好中年の私、警察官三人に取り囲まれて調べ上げられて、めっちゃ悪人みたいでした。


私も身分をお前に晒すのだから、お前も名前と住所を教えろと一応言いましたが、「私は警察署のこういうものです」と警察手帳を見せられました。自宅の住所は教えてくれませんでした。名刺くれといっても持ってないそうです。なんで職務として接してきているのに名刺くらい持っていないんだろうか。メモもないので警察手帳を撮影しようと思ったら拒否られました。初対面のお前の名前なんてパッと見で即座に覚えられねぇよ。


で、「これは財布ですね?」と訊いてくるので、いちおうマナーとして「財布型の爆弾です」と言っておきましたが、信じてくれなかったみたいです。ダメですね、日本の警察官は。アレではテロを未然に防げません。


彼らは自らの立場に絶対的なものを感じているようですが、私からすれば彼らが警察官であるという証拠も理由も何ら確定できないのです。制服だってコスプレかもしれません。警察手帳だって偽造かもしれません。


何より私は免許証を見られ、住所も名前も彼らに知られてしまっています。


彼らが悪人で、私の家に押し込み強盗を働かないという保証がどこにありましょうか?


だから、車のグローブボックスを調べようとしたのを「そこは開けるな」と制しました。


彼らは私の許可がなくては勝手にそこに手をつけることが出来ません。


それは、最初に窓をノックされた時点で、窓を開ける理由もなければ、応対する義務もないのと同じで、実は彼らは「お願いする」しかないのです。


仮に頑なに応対を拒否すれば、説得を続けられます。何故開けてくれないのか理由を教えて下さい、理由を言えない訳を聞かせてください、嫌だという理由を教えてください、教えない訳を聞かせてください、と延々堂々巡りをします。


なるほど、深夜から朝までかかったとしてもあんたは車の前で、私に疑惑を突きつけたまま説得するのだな? と。


だからグローブボックスの中を調べることだけ拒否してみました。


案の定、なぜ今まで応じてくれたのに、グローブボックスだけは拒否するんですかと、問うてきます。道理ですな。


だから逆に聞きます。


「私が危険物なり不審物を所持している可能性があるならば、あなたにだってその可能性はある。あなたは警察官であるけれども、麻薬を持ち歩いている可能性はある訳で、それを一般市民のわれわれに街中で突然問いただされて応じるだろうか?」と。


あなたの理屈が通るなら、あなただって、疑われても仕方のない一人の人間なのですよ、ということが言いたかったのですが、どうもよくわからんらしい。


「やましいことがなければ見せてもいいでしょ? 素直に開けて見せてくれればすぐ終わるんですから(わからないひとだなぁ)」と。


それは中で出さないから先っぽだけ入れさして、と言っているのとそう変わらんじゃないですか。


私が夜のひと時、車の中でくつろいでコーヒータイムしているのを邪魔されたあげく、クソ寒いのにドアをあけ放たれて、延々と押し問答させられ、私にとっては何の意味もない行為と時間なのに、それで何を納得しろというのでしょうか?


「なにもなければあなたに対して警察として、お詫び申し上げます」


「そっちにとってはご協力でいいけどね、俺にとってはそれだけなの? なんで? いみわからん」


「他に何が? どうすればいいのですか?」


「詫びなんていらんから、金くれ」


一応言いました。もちろんくれませんでしたけど。


要は素直に洗いざらい見せりゃ、相手は引き下がるんですけどね。ちなみに私自身のボディチェックなんか全然してませんから、私が股間に忍ばせているマグナムはバレずに済みました。


が、あんな上辺のチェックなら全然片手落ちもいいところで、その無意味さゆえに私は物申したくなるんです。


だったらそこの、今コンビニから出てきたねーちゃんのカバンの中とパンツの中を調べろよ、もしかしたら粉末のソーセージ突っ込んでるかもしれねぇじゃねぇかと。


散々営業中のコンビニ前(他人様の営業権を有する敷地内)に警察官が三人もたむろして、そこにくる客を洗いざらい調べるのが健全なのでしょうか?


何の権利があるというよりも、もっといかがわしい路地歩いてる悪そうなやつのポケットの中でも調べろよ。いい匂いのする葉っぱとか出てくる確率高いじゃんかよ。


ま、とはいえ言葉で言ってるほど腹が立ってるわけではありません。今回はいい機会だったから、当事者に対して極素直に普段から思っている疑問を口にしただけです。


楽しく過ごした後で、帰り際にこんなことに付き合わされてイラっときたのも、かなり影響してますが。


もちろん、彼らも仕事でやってることですから、面倒なことやリスキーなことは避けたいでしょう。それはわかります、理解もします。


でも、だったら私の顔見て「ややこしそうだ、やめておこう」と察してもらいたいものです。私のコーヒーがすっかり冷めてしまったじゃないですか。コーヒー代くらいおごらせるべきでした。


悔やまれます。


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