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4 ミシュラン

ミシュランガイドで有名な「ミシュラン」

フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」

これは同じ会社です。


最近はミシュランがタイヤメーカーだという事を知らない人も多いのですが、あのミシュランの独特なマスコットキャラクターの名前をご存知でしょうか?


遡れば1863年ミシュラン創業以来 世界で最も古いマスコットキャラクターとして認知されているビバンダム君です。日本ではこの呼び名はあまり定着していないようで「ミシュランマン」と呼ばれることが多いですね。


この前ミシュランガイドの云々がニュースで流れたときもキャスターが「ミシュランマンもお出迎え……」的なコメントをしていたんですが、ちょっと見ているほうとしては突っ込みを入れたくなったわけです。


えー、そもそもこの御仁は一体何者なのかと申しますと、「タイヤで出来たお化け」という設定でございまして、じゃあ何で黒くないんだ? というところですね。


実はタイヤの発明当時というのはタイヤは黒くなく、白かったんですね。まるでドラえもんが本当は黄色だった、みたいな話に聞こえるかもしれませんが(マジで)。

でも、それは何もおしゃれだからとかいう理由ではなくそうにしかならなかったというだけで意図したものではございません。


この当時のタイヤは耐久性に問題がありまして、そこをクリアするのが炭素を混合するという手法だったわけです。つまり鉛筆の芯を砕いて混ぜたらタイヤが黒くなったということです。


これが現代のタイヤ技術にも同様に言えることで今でも基本的な製造方法は変わっておりません。


で、この「ビバンダム」というネーミングなんですが。彼は『ヌンク・エスト・ビバンドゥム(ラテン語))』というキャッチコピーが入った看板に描かれデビューします。

直訳で「グラスに注がれたガラス片や釘を飲み干すタイヤ男」という少々おどろおどろしい化け物の様相で描かれたのが最初だそうです。それ以後ビバンダムという名前が定着したのだそうです。


ちなみに同じ化け物でも映画『ゴーストバスターズ』(1984年 米)に登場したマシュマロマンは似ていますが、別物です。


で、このミシュランでもう一つよく聞くのがいわゆる「ミシュランガイド」で、こちらは1900年からミシュランがモータリゼーション時代の到来とともにドライバーに有益な情報誌の提供という観点から各地の観光名所やレストラン、宿泊施設などを紹介したガイドブックを配布したところによります。


つまりはヨーロッパを車で走り回って、どんどんタイヤを消費してください、という意図も含んでのことでしょうな。


ただ、こちらも実はミシュランマンと同じく正式名称はミシュランガイドではなく「レッドガイド」および「グリーンガイド」と呼ぶのが正しく、「世界で最も古いグルメ観光ガイドブック」として「世界的権威のある伝統的ガイド」とされ、ここに載ることは、まあ名誉なことなんです。


グルメ観光ガイドには事欠かない昨今の日本の観光事情ですが、近頃は各地でミシュランガイドが発刊されておりますから、見たことのある人もおりますでしょう。


ただ、味だけではなくサービスや店の佇まいなど様々な観点から専門の極秘調査員が星をつけてゆくようなんですが、当然ながらそういった基準は公表もされなければ調査員が誰なのかということも知らされない(利害が発生しますから)といったオドロオドロシイ面もまたあるわけでして。


ま、雑誌掲載や特集にしても、テレビメディア全般にしても一緒なんですけど、お墨付きってのはごっつい影響力を与える訳です。


日本では割と有名なモンドセレクションという「賞」もこれは売り上げにかなり影響するようでして、特別金賞とか金賞とかよく目にしますね。もちろん銀賞も銅賞もありますが、これ実はコンクールではなく認定基準です。ですのでベルギーの民間品評団体の約二十項目の審査基準にどれだけ適ったかで、ランク付けがされますので、年間最高金賞は一点とは限りません。


というか無数にあります。


尚、日本では、と断りましたが、毎年このモンドセレクションの受賞を果たしている企業の七割から八割が日本企業かつ、応募総数に対して七割から八割の割合が日本企業なので、ほぼ欧米圏では認知されていない認定ともいえます。


というかほぼ日本企業のための組織といってもいいほど。

逆を返せば日本の製品は優れているとも言えるんですが、相対基準がないというのはいささか怪しげな目を向けられても仕方がないなと。そして我々はモンドセレクションが付いている商品とそうでない商品を並べられると、やはりついている商品を選んでしまう。


ネット社会になった今、ただでさえ翻弄されがちな世論は、そういった一部の人間(慧眼を持っているかどうかはともかく)が評価する基準というものをどこまで信じることを是とするか正とするか、自身の価値基準の置き場が危うい時代になってきているのではないかな、とも思います。


こういった世界経済に寄与する反面、核兵器製造と世界の通常兵器の最大輸出国であるフランスという国もまた、ヌンク・エスト・ビバンドゥム、清濁全てを飲み干す国であるともいえるわけです。

ま、昨年はそれが元で煮え湯を飲まされたわけですが、そういった背景も知っておけばまたテロへの考え方の基準も変わろうかと思います。


それはともかく、今は愛らしいマスコットになり、あらゆる商品としてフィギアなど立体化もされているビバンダム君ですが、私的には世界最古のマスコットキャラは仏像だと思っているんですが。


ま、その辺の話はまたいずれ。



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