第9話 ここの秘密
今回も、LOVEはありません。次回はありますので…。LOVE好きな人すいません。っていうか、紀奈紅天然すぎですよね…。
「もう、遅くなっちゃったねっ」
紗紀が、腕時計を見ながら言う。
ピンクの腕時計なんだ…。
「じゃあ、寝る??」
私が、言うと紗紀と杏実がうなずく。
「…待って…」
亜宮畝が、口を開いた。
今まで、何も言わなかったから私達はビックリした。
「何?亜宮畝」
亜宮畝は、チラリと紗紀と杏実を見る。
気まずそうな、紗紀と杏実。
「あの事言うんですかぁ〜?亜宮畝ちゃん」
杏実が口を開く。
さっきよりテンションが低め。
「でも、やめといたほうがいいと思いますぅ〜。まだ、紀奈紅ちゃんには」
え?私はダメなの?
「…紗紀はどう思う?…」
亜宮畝が言う。
紗紀は、少し考えてから
「ご自由に」
と、言った。
何の事なんだろう。
「…鹿王院さん…貴女は…私達に…全てを話しましたか?…」
え?
どういうこと?
「…」
「…鹿王院さん…」
私の全て―?
お兄さまのことも…?
「うん…みんなに絶対に話せないこと以外は言った」
亜宮畝は、コクリをうなずいた。
「…そのことは…私達が…信用できないからですか…?」
…。
どうなんだろう、この3人のことを信じられているのだろうか…。
「うん。みんなを信じてるよっ」
この3人は私が、鹿王院家の一人娘と言っても、特別扱いしなかった。
「…じゃあ…私達も…信用します…」
紗紀と杏実が肯いた。
「…私達は…拒食症…なの…」
拒食症…?
「拒食症って何?」
杏実が、説明を始めた。
「拒食症っていうのは、食事をするのを拒んでいる人たちのことですぅ〜」
そういえば…紗紀達はとっても細い…。
「過食することもあるし、吐くこともある」
あ…吐いちゃうのか…あたしも喘息でそういうのあったな。
「苦しいよね…」
みんなが肯く。
「ここの部屋は…そういう子達が集まる部屋。普通の人と一緒だったら、迷惑がかかるかららしいけど…」
そこで、紗紀は、言葉を切る。
私、勘違いされてたのかな…。私も細いし。
「おかしいよねっ。あたし達、何も悪いことしてないのにっ」
紗紀がうつむく。
「ありがとう、そんなこと言ってくれて」
私は、お礼を言う。
「次は、私が今日考えていることを言うね」
私は、竜牙のことを言った。
竜牙が赤くなったこと
屋上に行ったこと
キスされたこと―
3人は、しずかに聞いてくれた。
「それって…」
紗紀は、そこできった。
ニヤリと笑う。
「何にもないっ!」
亜宮畝と、杏実も立って布団をひき始めた。
何ナノよ。
「それは、たぶん紀奈紅チャンのことが…♪」
「え?何て?」
でも、紗紀はフフッと笑っただけだった。
もう!
まぁ、いっか…私元々相談しやすい人みたいだから。
たぶん、それだよっ。
「ねよっか」
私達は、布団にもぐりこんだ。
でも、布団に入って寝るわけない。
私達はそれからも、話しまくった。
一生の親友になりそうな気がする―
でも、やっぱりお兄さまのことは言えない
舜斗がスキってことも言えない
ゴメンね 紗紀 亜宮畝 杏実
明日も、更新するつもりデス。
大晦日は、スペシャルでお送りしたいと思ってマス♪