第13話 竜牙へのキモチ
「何で私にキスしたの?」
竜牙の動きが止まる。
お願い教えて。
「…今さらそれを聞かれるとはおもいませんでしたね…」
竜牙は苦笑する。
「ごめんね…一晩考えたんだけど…」
紗紀達にも相談したんだけど…。
なんか…教えてくれなかったの…。
「別に…紀奈紅のせいではありません」
竜牙は笑う。
「紀奈紅は…恋をしたことがありますか…?または…恋を今…していますか?」
竜牙がいきなり話す。
恋…
舜斗がスキでスキでたまらないこのキモチ…
これが…恋…
「してるよっ。恋…をしてるよっ」
無意識のうちに大きな声を出してしまった。
歩いている人がこっちを向くけど知らない。
なぜか気にならなかった。
「そうですか…。そうですよねっ」
竜牙は何かを思い出したような顔をする。
なぜか悲しそうな顔―
「でも…」
竜牙。
私のことで悲しそうな顔をしないで!
「竜牙のことも好き」
「え…?」
会ったときも
この言葉を言う前も
「好き」なんか思ってなかった
でも
竜牙は友達として好きってこと
気づいてしまったの
これ以上も
これ以下も
いかない
友達としてのこと
「オレのこと…ですか?」
「うん。友達として」
竜牙がガックリした顔をする。
「そうですか…」
「竜牙。私のことどう思ってるの?」
「え!?」
聞いちゃだめな気がした。
でも聞いてしまった。
「…」
「竜牙…」
竜牙は黙り込む。
そして雪ちゃんのような笑顔を浮かべる。
「こんな鈍感な姫に言う必要がありますか?」
え―?
「だから…秘密ってことです」
竜牙は口に人差し指をあてる。
「だから蓮に鈍感って言われるんですよ」
「え?聞いてたの?」
「もちろんです」
「竜牙は…本当に意地悪だよ」
私は笑う。
「それは…紀奈紅が勝手に思ってるだけです」
「冗談だよ」
竜牙は笑う。
「ねぇ…」
「何ですか?」
「いつまでもこんな風に続けばいいのにね」
「…そうですね」
「10年先も…ううん…50年…100年先も!!」
「100年先はオレ達生きてないかもしれませんよ」
「たしかに!」
私は竜牙にそう願いを言った
いや
願わなくても
みんなと
一緒に
いるのは
当たり前だと
思ってた
でも
でも
もうすぐ
その願いが
潰されることに
なろうとは
誰も
予測できなかった
その
願いが
潰されるのは
4年後―
私が
病院に受診に
きたとき
だった―
夜空の星達が騒ぎ出した―
近くの回で終わりそうですがまだまだ続きます。
心配しないで下さい。(誰が心配するんだよっ)