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【第15話:ごめんね、おばあちゃん】


 直子は、おばあちゃんと二人で暮らしていた。幼い頃に両親を亡くし、親の代わりに育ててくれたのがおばあちゃんだった。

おじいちゃんは、直子が生まれたときにはすでに亡くなっていた。


 いっぱいワガママを言った。苦労も迷惑もたくさんかけた。

だが、おばあちゃんはいつも笑顔だった。


 ある時、私にはどうして親が居ないの?と聞いたことがあった。

参観日に、みんな若いお母さんが観に来てくれている中、直子はおばあちゃんが観に来ていた。それを、クラスの男子に馬鹿にされたのだ。


いつも笑顔だった、おばあちゃん。

けれどもその時だけは、悲しそうな顔をしていた。

その時の直子には、その理由は分からなかった。


 おばあちゃんは親として、ちゃんと直子を育ててくれていた。

自分は夫に先立たれ、自分の娘夫婦も亡くなってしまって

本当はどうしようもなく悲しかったはずなのに。


 そんなおばあちゃんが、つい先日亡くなったのだ。

安らかな最期であった。

直子はそのことで酷く落ち込んでいた。


「おばあちゃん、辛かったよね。私、どうしようもなくてごめんね。

 私がおばあちゃんに、私にはどうして親が居ないの?って聞いたとき、とても悲しそうな顔をしたね。いつも笑顔のおばあちゃんの、悲しそうな顔。あのときはまだ私子どもだったけど、あの顔だけは忘れられないんだ。頭にハッキリと残ってるよ。


馬鹿にされたことが悔しくて、私にはどうして親が居ないの?って聞いたけど、私にとってはおばあちゃんが、立派な自慢の親だったよね。なんであんなこと聞いちゃったんだろう。なんで気付けなかったんだろう。なんで自信持って言えなかったんだろう。

おばあちゃんは、私の親だよって。


ごめんね、おばあちゃん。寂しい想いさせちゃったね。

でも、今会いに行くからね。」



――


「みんなー!!!」


 時はさかのぼり、五日目のお昼頃。

体育館に、大きな声が響き渡る。雅美の声であった。

それに気付いた正義と勝が体育館の入り口へ向かう。


「雅美じゃないか。お、香も。どうした?」

「悪魔が現れたんだよ!!直子ちゃんと、沙綾ちゃん来てる?!」

「え……来てへんで……まさか……。」


 雅美から話を聞いた正義、勝、真里菜、千尋、鰐淵、妻鳥の六人と、雅美と香で直子と沙綾を探し回った。


「おーい!!直子ー!!どこにいるんだー!!」

「沙綾ちゃーん!!聞こえたら返事してー!!」

「おーい!!おーい!!」


 昼から夜まで学校中を何度も何度も探して回ったが、ついに二人を見つけることは出来なかった。

誰の頭にも、最悪の状況が想像できていた。だが、それを口にするものは、この中に一人もいなかった。


 夜も更け、もしかしたら悪魔に見つからないようにどこかに隠れているのかもしれないともっともらしい理由をつけ、続きは明日探そうということになり、その日は体育館に戻って八人は寝たのであった。



 そして、六日目の朝が来る。


ガガッ……ブー……。


ゲームもいよいよ終盤を迎えていた。残すところ、今日と明日のみ。

明日を一人でも逃げ切れば、このクラスの勝利。今日か明日に全滅すれば、悪魔の勝利。



『今日の校内放送の時間です。』


みんながグッと手を合わせる。どうか無事で居てくれと、神に祈った。

しかし、この世界に居るのは悪魔だけ。悪魔は非情だった。


『熊生 直子、千本松 沙綾、消滅完了。残り、12人。』


想像はしていたものの、悪魔の口からその言葉を聞くとやはりショックは大きい。

現実を叩きつけられるようであった。


『さぁて、いよいよ六日目ですね。皆さん、よくお頑張りで。

 楽しいのは、ここからですよ。』


悪魔がみんなを挑発する。悪魔はこの状況をゲームというだけあって、楽しんでいる様子が声からも伝わってくるのであった。悪魔はゲームを面白くしようと、上手に話を吹っかけてくる。


『これだけの残り人数だ……。ここまで逃げられている皆さんであれば

 そろそろ私が誰か、わかった人もいるんじゃないですか?』



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