現語り
タイトルは歴史に残ってるもの以外は全て適当に付けてます
それでも出てくる相手くらいは気にしますよ?一応ですがね
高天原にいますけど和室的な風観の屋敷と思っといてください
居間とか縁側とかある木で出来たアレ
ということでお待たせしました 七話です
セリフ多めの描写少なめです 多分
その後
天照もチルノも寝たのだがふとこの場にいない風見がまだ戻っていないことに気付いた私は探しに行くことにした
能力を使って見つけるのも楽でいいが、久しぶりの高天原だ…風見同様に歩き回ることにした。それに風見が歩いて行った方向に行けば会えるだろう
「何も変わらないんだな…」
いい風景はそのままでいてくれていた
日本は良くも悪くも発展している。それに比べたらここは発展せずとも汚れのない地であった
地を手に取ればてから溢れた砂が風に乗って散りばめられた
息を吸えば酒で乾いた喉を潤してくれた
空を仰げば雲が掴めそうな位置にまでいた
改めてここが素晴らしい場所だと実感できた
「だが、私には素晴らしすぎる…」
天照は私のことは何も言わないがほかの神はどうだろう…ふとそう思った
もしかしたら相応しくないと今も心の中で思ってるかもしれない
もしかしたら今もそこで私が出るのを待っているかもしれない
もしかしたら私を追い出そうとしてるかもしれない
もしかしたら…いや…もう考えるのはよそう…風景が綺麗すぎて己の心の濁りが強調されるだけだ
「なんたって私は妖だから…な」
「あら、そんなところで何をしてるの?」
風見がいつの間にか後ろに立っていた
「…考え事をしていたのさ。風見ここの見学はどうだった?」
「ダメね。私にはここの植物たちは眩しすぎるわ」
「風見から見てもかい?」
私のセリフが可笑しかったのか風見は口元に手を当て、くすりと笑う
「貴方はここの出身でしょうに。初めて来た私から見ても…なんてどういうこと?」
「同じ場所に居続けたら慣れてしまってね…眩しいんだ…ここが」
「私から見たら貴方もそうなんだけども?」
どういうことだろうか…首を傾げて風見を見ていると答えてくれた
「私が貴方と友達になった時を覚えていて?」
「あぁ、忘れもしないとも」
「あの時こう思ったの、なんで同じ妖怪なのにこいつはこんなにも綺麗なんだろう…って」
「綺麗?私がか?」
「きっと、汚れを知らないからでしょうね。貴方と私では汚れ具合が違うでしょうしね」
「私から見たら風見の方が綺麗だと思うのだが…」
私の返答がお気に召さなかったのか風見は溜め息を吐き私に背を向けた
「私の言っている汚れというのは目に見える汚れではないの。そうね…例えるなら鏡ね」
「鏡?」
「そう、鏡。心を映す鏡」
「心を映す…」
「私から見たらとても澄んでいたの。鏡だけど透けて見えるくらい綺麗な鏡…そこに映る私の鏡は濁って何も見えなかったのよ、私が言いたいのはこういうこと」
風見は言いたいことを言い終えたのかそのまま去っていった
■ ◆ ■ ◆ ■ ◆
あくる日
私は朝露が出る頃から部屋を開けていた
決して寝相が悪くて寝られなかったからとか、天照の寝相が非常に悪かったからとか、かかと落としを受けたから、というわけではなく痛かったからとかではなく!普通に目が覚めたからである!
…痣とかできてないよな…?
いなかった間に神が増えたようで、高天原にいるうちに挨拶まわりをしようと思ったのだ
妖とはいえ、神に無関心ではないのだ
先ほど起きてすぐに須佐之男や櫛名田比売とは挨拶をした。特に他愛ない雑談をしたくらいだ
勿論、伊弉諾とも会話した。(内容は天照と寝て、コブは出来なかったか?といった雑談)
そういえば須佐之男にも男子ができていたことには驚いた
あの泣き虫坊主だった須佐之男になぁ…
挨拶まわりは楽しいものだと思っていたら視線を感じた
辺りを見回しても同じ目線に人はいない…気のせいかと思い再び私は歩き出そうとした
「そこの妖」
「ん?」
背から声が聞こえて振り返ったが誰もいない
「下だよ下」
声の主を求めて視線を下に向けると背の低い女がいた。ここに居るということは彼女も神だろう
「私に何か用かな?小さな神様」
「なんで妖がここにいるのさ?」
彼女がここに新しく来た神だろうか、でないと私がここにいる理由を知らない道理もない
古くからいる神は伊弉諾が教えているからだ
「私は天照の友の皇雅と言うものだ。君の名前を聞かせてもらってもいいかな?」
「天照様の友達ぃ?」
彼女には到底信じられないのか私の質問にも答えてくれず訝しげな表情を見せる
「伊弉諾から聞いてないのかい?」
「というか、さっきから妖風情が神を呼び捨てするなよ」
「いや、すまない。長く共にいたから癖でね それに本人からも呼び捨てにしていいと言われているのだよ」
私が妖だからだろうか、彼女は私の言うことが全く信じられないようだ
証拠もなにもないのだからそれはしょうがないのだろうけども
うまいタイミングで誰か通らないものかと思い視線を泳がせていると、丁度欲しかった顔が見えた
「噂をすれば…おぉい天照!こっちに来てくれ」
「ぁ、天照様…」
天照が遠くに見えたので手を振り此方に呼ぶ
彼女も私を探していたのか、とてとてと早足で来てくれた
「皇雅様、此方に居らしたのですね…少し探してしまいました」
「済まない。すこし挨拶まわりをしていたのだが私一人では訝しがれてしまってな、話が進まないのだ。一緒に説明してもらえないか?」
「そんなことでしたら喜んで!…誰に説明するのですか?」
「この神だ…という訳で頼めるかい?」
「……」
「あぁ、そういえば貴女はまだここに来たばっかりでしたね…彼はわたくしの友の皇雅と言いまして、妖ですがいい人なのですよ?」
天照の言うことには耳を傾けてくれているようだ
その後少しずつ天照が私に彼女を、彼女を私に紹介してくれた
彼女は土着神の頂点で名前を諏訪子と言うそうな
なんとも近いうちに争いがあるとか、相手が天津神の尖兵だからどうしようか悩んでることも聞いた
神同士の争いだから周囲の被害も酷くなるとも
「…私はどうしたらいいのでしょうか天照様…」
「皇雅様…頼んでもよろしいでしょうか?」
「あい、わかった。チルノたちも協力させよう…国のことは気にしなくてもいい」
「あんた…」
「私は天照の友であり生ある全ての御方だからね、助けないわけないさ」
「皇雅様、また帰ってきて土産話をお願いしますね」
「あぁ、その時を私も楽しみにしているよ。諏訪子、私の友を連れてくるからそれまで待っていておくれ」
諏訪子に嫣然としてほほえみ、チルノたちがいる方へ歩みを進めた
■ ◆ ■ ◆ ■ ◆
「あの、天照様」
「?」
「あいつは、ホントに妖なんですか?」
「そうね、わたくしの畏れが産んだ妖よ」
「妖のくせに変な奴ですね…」
「けど、あれが皇雅様の魅力でわたくしはそれに頼ってしまう…とても頼れる妖…」
あの妖を信じるわけではないけど私の国は多分…いや絶対平気だろう
天照様の顔を横目に私はあいつの後ろ姿を見送るのだった
■ ◆ ■ ◆ ■ ◆
幸せがここにありますように
亀更新いうわりにちゃんと投稿できてて嬉しいです(´・ω・)
フラグってわけではなかったんですけど使いました
何も考えてないからこういうことになるのかな…
久しぶりに風神録したら秋にやられた(easy)自分のリプレイでは簡単に倒してたのに…゜(゜´Д`゜)゜
諏訪子さんとは友達のPCで戦ったことあります。ぎりぎり勝てました(勝ったけど弾が消える前にピチュッた)