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東方神語  作者: 朱莉
神語
22/26

掠語り

長らくお待たせしました。

いろいろ手直ししていたら気付いたらこんなにかかってしまいました……。


外伝っぽいけど本編です。



■  ◆  ■  ◆  ■  ◆




幻想郷のとある館。


窓が少なく、日光を遮るために特殊な工程で作られた館。

その館のの主は今日来るであろう友を招くために忙しなく動いていた。



「メイド長! 妖精メイド使ってさっさと終わらせなさいっ!」

「はいはい、お嬢様はなるべく危険性の少ないことをなさってくださいね?」

「私の心配は無用よ。じゃここは任せるわ」

「承りました……あ、お嬢様……行っちゃった」



この場はメイド長に任せて大丈夫だと判断したのか、お嬢様と呼ばれた少女は軽い足取りで友人のもとへ向かう。

あの調子ではメイド長が何かを言おうとしてるのも聞こえてないだろう。

そして到着したのはとても巨大な図書室。

それは見ようによってはそれだけで館を埋め尽くしているのではないか、そう思えるほど巨大だった。

実は特殊な技術でそうなっていて、それはここを根城にしている者の力だったりする。



「パチェ!おーい、パチェー!……あのむらさきもやs」

「聞こえてるわよ……で、何?」

「お、おー!そんなところにいたのか。もうすぐあいつが来るのよ」

「……で? 確かここを貸す約束したらしいわね。勉強するなら私としても構わないのだけれども、他に何か言いたいの?」



そういう友人の前で「どう?」と小声で言う館の主に、友人は何が言いたいのかわかったのか「問題はないわ」とぶっきらぼうに答えた。

あぁ、面倒臭い。そう言ってはいないが友人の仕草はまさにそれだった。

だが主に至っては友人の答えに満足したのか満面の笑みでいる。



「ちなみにここを貸すのは、あいつの教え子に対して、よ? 久しぶりに会うあいつにはここを案内しようと思ってるの」

「ふーん。どんな子なの?」

「ふーんってあんた……えっとゴーレムって確か言ってた気がする」

「ゴーレム? それ本当?」

「もうだいぶ前に話しただけだからよくは覚えてないけどね。妖精が作ったらしいわよ?」

「へぇ……気になるわね。わかったわ、その教え子は私がしっかりと受け持つわ」

「うん、よろしくね」

「それはそうと……門番には客人のことを」



友人の言葉に耳を傾けていたときだった。

館の入口、門があるところだろうか、そこから爆発……というか爆撃音が聞こえた。

「あ、そういえば門番には今日の客人のことを告げていなかった」

そう言う主からは滝のような汗が額から流れ続けていた。

友人といえば「やっぱりか」と半ば呆れたような声をあげていた。




■  ◆  ■  ◆  ■  ◆




レミリアからの招待状が来た。

以前に約束していた館ができたのだろう、喜ばしいことである。


ナユタも指定された期日には予定なかったはずだ。

紅茶にあう菓子として南瓜のプリンをいくつか作り、それと花をいくつか見繕った。

花は桃から赤にかけての薔薇を束にしたものだ。

多すぎてもダメだと風見から言われたので少し控えめにしている。


それらの物を紫の能力で強化した私の背負鞄(入れたものが壊れず境界をいじって容量UP)にしまい込む。


ナユタは外出したことがあまりなかったせいか出発する寸前まで忙しなく準備していた。

私としても何かあったら不安なので日像鏡をナユタに預けた。

まぁ、何もなかったら話し相手くらいにはなるだろう。そう気楽に考えて。


チルノ達も連れて行こうかと思ったが流石に独断ではまずいと思ってそれは断念した。

それにこれ以降いけなくなるわけじゃない、次の機会にまわせばいい。


吸血鬼は妖怪とは別物らしいが長寿だと聞いた。

なら次の機会なんて見つけられない方が難しいはず。


この機会に好みの話でも聞いてみようか?

吸血鬼の武勇伝を聞いてみても面白いかもしれない。


「鬼」が名前に付いているが関連性はあるのだろうか?

萃香にきいたが知らないと言っていた。日本だと本当に珍しいようだ。


館という建物にも興味がある。

紫は洋館と言っていた、外国にある建築物だそうな。

(決して羊羹ではない。その間違いは既に私が侵した)


時間の詳しい指定はなかったので、太陽が降りる少し前くらいにお邪魔しよう。

日光もそのくらいになれば弱くなっているはずだ。


粗方の準備はできた。場所の把握も紫からきいたし、チルノとも確認した。


風見は面白い花を見かけたら教えてと言っていた。それに関しては快く了承した。私も気になるし……。


ナユタに至っては忙しなく身嗜みを整えている。

「こういうのは、ちゃんとしないとダメなんです」

誰に言うわけでもなくそう言った。今までそう言って時間通りに準備していたので特に問題はなさそうだ。

何に使うかわからないけど手甲とか足甲は何に使うのだろうか。


待っている間に私は手紙を確認する。

招待状に同封されていた物で館の位置などが詳しく書かれていた。


さてと、向こうに着くのは一体いつになることやら……。




■  ◆  ■  ◆  ■  ◆




手紙の助力やチルノの説明によって遅刻(時間の指定はなかったが)せずに到着した。


しかし問題なく……とは行かず、門前払いを受け続ける始末。

この手紙の通りに来たはずなんだが……間違いだったのだろうか?

ナユタは少し離れた場所に置いている。

何も問題がなければ呼ぶつもりだ。


……呼ばないに越したことはないと思うが。



「ここの主から何も聞いてないんだね?」

「ええ、一切何も聞いてません」

「確認をとってもらうことは可能かな?」

「不可能では御座いませんが、了承を得るまでもないです」

「それは――」



何故? と言葉を続ける前に嫌な予感がして勢いよく後退する。

結果的に予感は当たり、私がいたところは抉られていた。

ちらりと背負っている鞄を見るが損傷はなかった。



「古くから言うではありませんか、通りたければ力尽くで押し通れと」

「……古くから生きてるつもりだったけどそんな物騒な標語は聞き覚えがないね」

「では簡単なことです。この門ではそれが普通……というこt」

「――では、そうしましょうかっ!!」

「アッパッカッ!?」



意表を突くつもりなどなかったが、私は門番である彼女よりも背が高い。

だからこそ彼女は私を見るときに目線を上げるし、上を見て話す。

つまりは私よりも小さく、彼女よりも小さなナユタが割り込めば奇襲が出来るのだ。(あの速度で割り込めば何もせずとも奇襲できそうだが……)


ここでナユタの能力を軽く説明しておこう。

ナユタは移動と防御の能力を持っている。

移動に関しては元の素材……というかゴーレムだから出来る(らしい)能力。

自分を形成する元素に掠りでもすれば通り抜けが可能になる程度の能力。


防御に関してはナユタ個人の能力だ。

紫が言うにはナユタの意思が関係しているらしい。

詳しくはナユタですらわかってはいないが意思に関する能力らしい。



で、つまりなにが言いたいかといえば、移動する能力で地面の中を駆け門番にアッパーカット(肘を曲げたまま下から突き上げるように放つパンチ)を放ったということである。


ナユタの身体が小さかったのか、門番が攻撃を受ける寸前で後方に跳んで攻撃を緩和させてたからなのか、あるいはその両方のせいなのかわからないが、門番は数秒後には起き上がっていた。

視線を私から外し完全にナユタだけを見つめて。



「……これは、驚きました。とても良い攻撃でした」

「ありがとう……と申しておきましょうか」



……どうでもいいが二人が纏う空気が変わった気がする。

というかその空気に私が入っていない気がヒシヒシと伝わる。


軽く「ナユタ?」と呼んでも返事はなかった。


あの……ナユタ? 私のことを忘れてファイティングポーズをとるのはやめないか?

門番さんは私のことを忘れて乱入者に指で「来なさい」とやるのをやめようか。


……もう勝手に通ってしまおうか。

(ナユタが)力尽くで押し(私が)通るだけだ。うん、特に問題はないな。



「では、私はお邪魔するよ。ナユタも呼んだら来るように」



返事はないがそのまま門を潜り、私は館に入っていった。

どうせそのうち彼女が止めてくれるだろうと信じて……。




■  ◆  ■  ◆  ■  ◆




皇雅さんに「私が呼ぶまで待機」と言われ館から50m付近の場所で僕は待っていた。

一応遠く離れた位置で、と言われたけどこのくらいの距離なら僕にとっては目と鼻の先、皇雅さんが危険になれば即座に護りに行けます! 


準備は万全! 待機中に持ってきた武具は装備してますし(姉さん印の永久氷でその上から泥を固めた特殊仕様)

皇雅さんから貸して頂いた日像鏡は首からかけてますし(神的防護で大切な部分をガード!)

防御も攻撃もこれで完備ですね!


皇雅さんが門番のお姉さんに話しかけていますが……なにかあったようですね? 

流石に会話は聞こえませんが言い争っているみたいです。

突如皇雅さんが後ろに飛び、先ほどまで皇雅さんがいたところが抉られました。

そこで皇雅さんは僕を見て(※違います)視線をお姉さん……いえ敵に向けます。

なるほどわかりましたよ。つまりは『隙を見て攻撃』ですね(※違います)


地面から敵が目を離した隙に僕は地面に潜り込み、幽香さん仕込みのアッパーカットを全力全開で放ちます。

が、咄嗟に後ろに跳んで躱されて打点がずれました……やりますね。


貴女が何者かは存じませんが僕(姉さん)の大事な皇雅さんを傷付けるなら容赦はしませんよ? 




■  ◆  ■  ◆  ■  ◆

 


はい。ということでご家庭?訪問です。

まだメイド長は咲夜さんではありません、前任の方ですね。今のところ名前はありません。


すれ違いナユタ伝説。彼女の言う大事は家族的な意味で言ってます(深い意味はありませんよ?)

喧嘩っ早いのは主に幽香のせい(主にってだけなので原因は他にもある)


おばあちゃんとくっきーつくるのに未だにハマってます。最初保存出来るの知らなくて数はすくないんですけどねぇ


次話はなるべく早く投稿できたらいいなぁ……。

この話はまだ続きますよ。


評価、お気に入りありがとうございます。

ゆったりとした投稿ペースですが気長にお待ちください。


※一部修正

わからにけど ⇒ わからないけど

「に」ってなんぞ!?

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