時語り
この物語は試行錯誤でできています
あとセリフが多いです
「行ってしまうのですか?」
声色は高く声だけで判断するならば若い女性の声が響く
「以前にも話したことがあるだろう?私には夢がある、それを叶えるのはここではできない事なんだ」
次に聞こえたのは低めの、若い男性の声
「伊弉諾が作ったであろうこの世界で私は夢を実現させる、何日いや幾年かかろうとも。それにもうここに帰ってこないとは言ってないじゃないか」
「ですが…」
男は自分を心配してるであろう女を安心させるため優しく語りかける
「私は最大の友であり家族である君に嘘を告げたことは?」
「いいえ」
女は頭ではわかっている。わかってはいるのだが心が「行かないで」「行かせてはいけない」と告げていて不安が拭いきれないのだ
「では私の能力に誓ってこう告げよう。‘‘私は君の永遠の友であり、絶対に死なず、絶対に君に会い続ける’’と」
男は女の手を両の手で掴み誓いの言葉を告げる
「そこまでして…本当に、行ってしまうんですね」
「ここは君に任せるよ。私は日本に行く、夢は待っていては叶わない。次に会う日が楽しみだ…君もそうだろう?泣き顔ではなく私の好きな君の笑顔で私の行く末を照らしておくれ?」
男は女の涙の溜まった目尻をそっと拭い笑いかける
「…はい…土産話を楽しみにしております、皇雅様」
「しばしの別れ、次に会うのを楽しみしておいてくれ天照」
女は涙を拭い男が去るまで笑顔で送り出した
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所変われば時も変わり
日本
皇雅が初めにしたことは四季を作ることだった
彼はとある力を持っていた、その力は後に「〇〇をする程度の能力」と呼ばれる所以なのだが彼は多分気付いていない
彼の能力は「不可能を操る程度の能力」正確に言えば「可能」と「不可能」を思い通りに操るのである
まず創ったのは春、季節の始まりにして生の生まれでもある。わかりやすいように春を告げる妖精も創り出した(後の春告精である)
次は夏、過ごすには生が知識を使わないと過ごしにくいように春以上の暖かさで創り出した。
その次は秋、夏よりはすごしやすく、そして次に来るであろう季節の小休止である秋。
食料が育つ季節があれば生も長生きするであろうと考えた皇雅は秋をその季節とした
そして最後の冬、夏の正反対でまたもや知識を育むために生み出した寒い季節。春に繋げる為の大切な季節
四つの季節は春夏秋冬と巡るようにした
季節が巡り、季節が来たことを告げるための生も多く生み出した
植物、動物、文明と最初に創りすぎないように注意し成長を願って
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時がまた巡りしばらく経った頃、私に友人ができた
人でも神でもなく妖精だ
妖精に寿命と呼ばれるものはなく私の長い年月を共にするには十分な理由だった
体長は一様に小さく、手のひらに載る程度の者から、大きくとも十に満たない人間の幼子程度しかない者が殆どだ
天照にも会わせたことがあるがなぜが怒られた…何故だろう?
閑話休題
私の友達である彼女の名前はチルノ 氷の妖精である
チルノにはじめて出会ったのはいつだったか…
思い出すこともできないくらいに古かったようなので能力で「記憶を忘れることは不可能である」と自分に課した
能力で記憶は蘇り、会ったのが季節を創ったすぐあとだったことを思い出した
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季節を造り巡らせたすぐあとのことだった
人に妖だと思われたら友好的に話せないのではないか? と考えた私は容姿を変えることにした
その時に一番発展していた人の街を参考にして
まず形は人に類似させ、目と身体は包帯という布で隠し、腰には木刀を差して、前開きのローブを頭から被ってみた
服ももちろん着た。着物ではなく一言で言うなら軍服である
何故このような格好にしたかはよくわかっていないが、あの時はかっこいいからで決めていた気がする
そのあたりだったろうか、誰かに見られている気がしたのは
ふとあたりを見回せば
木の幹の影に彼女がいた
「妖精が私に何か用か?」
私がそう言うとチルノは驚いたのかビクリと体を震わすと影から出てきてこう言ったのだ
「あなたはとっても怪しいけど人間?」
怪しいと言われ、何が?といった顔で彼女を見ていたら理由を告げてくれたのだ
「だって目が隠れているのにあたしが見えるし、包帯だらけの身体だけど怪我もない、腰の武器は木で出来ているから実用的ではなさそうよ?」
自分の容姿をもう一度確認していると矢継ぎ早に疑問を述べていった
「それと一番の要素はそのローブね…あなたはそんなに怪しいのに人間なの?」
「怪しい人間もいると思うが…私は妖さ、でも人間を襲うために化けたわけではない」
妖精は少女らしい素振りで首を傾け「じゃあ何故?」と問う
「私は妖だがね、彼らと仲良くしたいのだよ。元の姿ではいささか怪しすぎたのだが…君に言われては無理なようだ」
と柔か《にこやか》に返す
そう言ったと同時に妖精が腹を抱えて笑いだした
それも転げまわるほどに
笑い転げた(誤字にあらず)妖精が呼吸を整えてから話し出す
「妖精がいうのも変だけどあなたは面白い妖怪ね。敵意がないのは人間もわかってくれると思うわ。でもセンスがないわね」
「センス?」
それもわからないのね と微笑みつつ彼女は「あなたのお名前を聞いてもいい?」と訊ねてきた
「あ、あたいの名前はチルノ。見ての通り氷の妖精よ」
「私は皇雅、生けるすべての生を愛す妖」
名前を告げたあとも彼女は笑いだした それが彼女との馴れ初め
今も続く 私と妖精の友情の始まりだった
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自分の中ではうまくいっても文面でうまく表現できない
だけどがんばる
しかし話が進まない(´・ω・`)