第17話 キツネビの「狐耳占い」大失敗コメディ
海鮮丼と温泉騒動の翌朝、辺境の家は穏やかな陽光に包まれていた。
キツネビが庭で尻尾をゆらゆら揺らしながら、突然狐耳をピクピク立てて宣言した。
「みんな~! 私、狐耳で未来を占えるんです~! 龍様の未来も、翻訳家さんの未来も、みんなの未来を占っちゃいます~!」
黄金色の尻尾が期待でブンブン振られ、狐耳がピョンピョン跳ねる姿はいつも以上に元気いっぱいだ。
ミズナが水溜まりから尾びれをパタパタさせて顔を上げた。
「占い……? 私の未来も占ってください~! 私の海の未来、知りたいです~!」
花音が朝ごはんの片付けをしながらポニーテールを揺らして駆け寄ってきた。
「キツネビちゃんの占い!? 面白そう! ユウマの未来も占ってよ! 私、文官で大出世するかな~? 絶対聞きたい! みんなでやろう!」
俺はキッチンから顔を出し、心の中でため息をついた。
脳内リリが即座に反応。
「これは面白い! キツネビちゃんの占い、絶対全部ハズレるパターンやで~! 狐耳占いなんて聞いたことないけど、勘違い全開でコメディ確定や! ユウマくん、みんなの反応見て楽しんでな~♡ あたしもう笑いが止まらん!」
キツネビが庭の中央にみんなを集め、狐耳を真剣に立てて座った。
「じゃあ、まずはミズナさんから~! 狐耳を集中させて……未来が見えます~!」
キツネビが目を閉じて狐耳をピクピク動かす。
尻尾がゆっくり左右に揺れ、みんなが息を飲んで見守る。
「……見えました! ミズナさんは今日、大きな魚を食べます! 海の恵みがたくさん来る未来です~!」
ミズナが尾びれをパタパタさせて喜んだ。
「大きな魚~! 私の海の恵み~! 楽しみです~!」
しかし、朝ごはんの魚は小さな川魚しかなく、みんなで分けてもミズナの分は小さめ。
ミズナが少ししょんぼり。
「……大きな魚……じゃなかった……」
キツネビが慌てて狐耳を立て直した。
「次は花音さん~! 狐耳集中……未来が見えます~!」
尻尾がブンブン振れ、キツネビが大げさに言う。
「花音さんは文官で大出世します! 今日から上司に褒められまくりです~!」
花音が拳を握って喜んだ。
「やった! 大出世~! ユウマ、一緒に頑張ろうね!」
しかし、その日の花音は書類ミスを連発し、上司に叱られて帰ってきた。
花音がしょぼんとして庭に戻る。
「……出世どころか、怒られちゃった……」
キツネビが狐耳をぺたんと下げて謝った。
「ごめんなさい~! 私の占い、間違っちゃったかも……」
リリが脳内で爆笑。
「アハハハ! 全部ハズレてる! キツネビちゃんの狐耳占い、大失敗や! 可愛すぎるわ~! ユウマくん、次は自分の占い聞かせてあげて!」
みんながキツネビを囲み、俺の未来を占うことに。
キツネビが狐耳を真剣に立てて集中。
「翻訳家さんの未来……見えました~! あなたは今日、女神様に会えます! 女神様が実体化して、抱きついてきます~!」
俺が苦笑。
「女神様は来月まで実体化ないって……」
リリが脳内でツッコミ。
「ハズレや! あたし今実体化できへんのに~! キツネビちゃんの占い、100%ハズレ確定やで!」
キツネビが尻尾をしょんぼり下げて謝った。
「ごめんなさい~! 私の狐耳、間違っちゃうことあるんです~! でも、みんなの未来は明るいです! 私が間違えた分、みんなで一緒に作っていきましょう~!」
ヴォル爺が低く笑った。
「……小娘よ。占いなど当てにならぬ。
だが……この賑やかさは、悪くないのう。」
みんなが大笑いし、キツネビが狐耳をぺたんと下げながらも笑顔になった。
「次はもっと当たるように練習します~! みんな、ありがとうです~!」
リリが脳内で締め。
「キツネビちゃんの占い失敗可愛すぎるわ~! これでみんなの絆深まったで! 次はミズナちゃんの歌回や! 遠くからドラゴンの気配も……楽しみやな~♡」
辺境の朝は、キツネビの占い失敗とみんなの笑い声に包まれていた。
不遇職の翻訳家生活は、ますます楽しく、温かいものになっていく。




