第16話 キツネビ&ミズナの温泉大騒動
海鮮丼の余韻が残る夕方、辺境の温泉は今日も湯気が立ち上っていた。
ミズナは尾びれをパタパタさせて湯船の中央に陣取り、「ここが私の海~!」と大満足げに宣言。
青い髪が湯に浮かび、鱗が夕陽にキラキラ反射して虹色に輝いている。
キツネビは狐耳をぴくぴくさせながらミズナの隣に座り、尻尾を湯に浮かべて優しく揺らしていた。
「ミズナさん、温泉気持ちいいですね~! 龍様もたまに来てほしいです! 翻訳家さん、花音さん、一緒に入れて嬉しいです~!」
花音はポニーテールをほどいて湯に浸かり、目を細めて笑った。
「ユウマ! 今日も最高だよ! ミズナちゃんの尾びれキラキラで癒される~! キツネビちゃんの尻尾もふわふわ! 私、毎日来たい! もっとリラックスしちゃう!」
俺は湯の端でぼんやりしながら、脳内リリと会話をしていた。
「ユウマくん! 温泉タイムええ感じやね~! でもほら、あたしの予感が当たるで! キツネビちゃんとミズナちゃんの性格が正反対やから……大騒動来るわ! ミズナちゃんが尾びれで湯を跳ねさせて、キツネビちゃんが尻尾で泡立てて……花音ちゃん巻き込んでカオスになるで! あたしもう笑い止まらん! ユウマくん、フォロー準備してな~♡」
リリが興奮でまくしたてる。
「リリ、予感って……また何か仕組んだのか?」
「仕組んでへん! 自然に起きるんや! ほら、見てて!」
その瞬間、ミズナが尾びれを大きくパタパタさせた。
「わ~! もっと熱くしたいです~! 私の海はもっと熱いんです!」
尾びれが湯を激しくかき回し、水柱が上がって湯が飛び散る。
キツネビが狐耳を立てて驚き、尻尾をブンブン振って反応した。
「きゃあ~! ミズナさん、すごい! 私も泡立てます~!」
キツネビの尻尾が湯の中で高速で動き、泡がモコモコと大量に発生。
湯船全体が泡だらけになり、視界が白く濁った。
花音が泡に埋もれながら叫んだ。
「わわわ! ユウマ助けて~! 泡がいっぱい! キツネビちゃんの尻尾すごい! ミズナちゃんの尾びれも! 私、泡まみれ~!」
泡がさらに増え、湯船から溢れ始めた。
キツネビが泡の中で狐耳をピクピクさせながら楽しそうに笑う。
「わあ~! 泡がいっぱい! ミズナさん、もっとやりましょう~!」
ミズナが尾びれをパタパタさせて応戦。
「私の海は泡もたくさん! みんなで泡パーティーです~!」
湯船がカオス状態に。
泡が庭まで溢れ、辺境の地面が泡だらけになった。
花音が泡に埋もれながら俺にすがりついてきた。
「ユウマ! 助けて~! 泡で目が開けられない! でも……なんか楽しいかも!」
リリが脳内で大爆笑。
「アハハハ! 大騒動や! キツネビちゃんの尻尾とミズナちゃんの尾びれが最強コンビやで! 花音ちゃん巻き込まれてカオス最高! ユウマくん、フォローしてあげて! 龍様もそろそろ気づくわ!」
その時、ヴォル爺の低い声が遠くから響いた。
「……うるさいのう……」
巨大な影がゆっくりと動き、庭に近づいてくる。
泡だらけの温泉騒動は、まだ収まる気配がなかった。
泡が庭まで溢れ、辺境の地面が白く染まった頃、ヴォル爺の巨大な影がゆっくりと近づいてきた。
「……うるさいのう……」
低く重厚な声が響き、龍の金色の瞳が泡だらけの温泉をじっと見下ろす。
部下のように見守っていた住民たちがさらに後ずさりし、花音が泡まみれのまま慌てて叫んだ。
「龍様! ごめんなさい~! 私たち、遊びすぎちゃった! でも……楽しいんです! キツネビちゃんとミズナちゃんが元気すぎて……!」
キツネビが泡の中で狐耳をピクピクさせて謝りながらも尻尾を振った。
「龍様、ごめんなさい~! 泡がいっぱいになっちゃいました……でも、もっと泡で遊べば龍様も楽しいかなって……!」
ミズナが尾びれをパタパタさせて泡を飛ばしながら、鱗をキラキラさせていた。
「私の海は泡がいっぱいなんです~! 龍様も一緒に泡パーティーしましょう~! 熱くて泡だらけで、最高です~!」
ヴォル爺が低く唸り、巨大な翼を軽く広げた。
その動きだけで風が起き、泡が一気に舞い上がる。
みんなが「わあ!」と声を上げ、泡がさらに散らばった。
リリが脳内で大爆笑しながら解説。
「アハハハ! 龍様介入きたで! 翼で泡抑えるんや! ユウマくん、フォローしてあげて! これで大団円や! ハーレムみんなで龍様に甘えるチャンスやで~♡」
俺は泡まみれのまま龍に近づき、声を張った。
「ヴォル爺、ごめんなさい。みんな楽しすぎて……騒がしくなっちゃいました。
でも、みんな龍様が好きなんです。静かにしますから……許してください。」
ヴォル爺の瞳が少し柔らかくなった。
「……ふむ。
わしはただ……静かに休みたかっただけじゃが……
この賑やかさも……悪くないのう。」
龍が翼をゆっくり畳み、泡を優しく抑えるように息を吐いた。
泡が徐々に収まり、湯船の泡がきれいに沈んでいく。
キツネビが狐耳をぴょこぴょこ動かして喜んだ。
「龍様、優しい~! 泡も収まった! みんなでまた入ろう~!」
ミズナが尾びれをパタパタさせて感謝。
「龍様、ありがとうございます~! 私の海、みんなの海……これからもよろしくお願いします~!」
花音が泡を払いながら俺に抱きついてきた。
「ユウマ! 龍様、ほんとに優しいね! 私、泡まみれだけど楽しかったよ! またやろうね! 次はもっと静かに……いや、もっと騒ごう!」
みんなが笑い合い、温泉の湯気が再び穏やかに立ち上る。
ヴォル爺が低く息を吐き、満足げに目を細めた。
「……ふむ。
わしも……少し入ってみるかのう。」
龍がゆっくりと温泉に近づき、巨大な体を湯に浸す。
湯が少し温かくなり、みんなが「わあ!」と歓声を上げた。
リリが脳内で締めくくった。
「やったぁ! 温泉大騒動大団円や! 龍様も参加して絆深まったで!
ユウマくん、これでハーレムみんなの仲良し確定や! 次は女神実体化でアイスパーティーやで~♡」
泡が完全に消えた温泉に、キツネビの狐耳ピクピク、ミズナの尾びれパタパタ、花音の元気な笑い声、そして龍の低い満足げな息遣いが混じり合った。
辺境の夕暮れは、温かく賑やかなものになっていた。
不遇職の翻訳家生活は、ますます楽しく、温かいものになっていく。




