映画
映画はクライマックスに差し掛かっていた。
ポップコーンを食べる手が先ほどから止まっている。
そして・・・同時にこの後の展開が読めた。
(なるほど、犯人はこうやって捕まるのか。)
そして、数十分後、予想は見事に当たった。
穏やかな気持ちでエンドロールを眺める。・・・終わりまで見ていようと思った。
他の観客が次々と、席を立ちあがり、出口に向かって歩いていく。
自分はずっと座ったまま。
・・・やがて、スクリーンが真っ暗になり、室内に灯りが戻った。
残りのポップコーンを食べ終えると立ち上がり、ゆっくりと出口へ向かう。
扉を開けると映画館の出入り口の所で警察官が数名、俺を待ちかまえていた。
完