017
食べ進めながら拓真は口を開く
拓真「スーツ買いに行かないとな」
萌「スーツ?」
拓真「ほらっ、お前来週から俺の秘書として
働くんだぞ?スーツがなくてどうするよ」
萌は食べる手を止め「あぁ、そっか」と呟いた。
拓真「朝ごはん食べ終わったら
さっそく買いに行くぞ」
萌「うん!」
萌のスーツを買いに行こうと二人は
駐車場に向かう。
拓真が運転席に乗り込むのを見た萌は
「あれ?拓真が運転するの?」
拓真「そうだけど?俺の運転じゃ不安か?」
萌「いや、そうじゃなくて。
拓真が運転する車に乗るの初めてだから」
拓真「そうだっけ?秘書は今日休みだからな。
助手席座れよ。特等席!」
萌「またかっこつけちゃって」そう言いながらも
萌は嬉しそうに助手席に座る。
拓真「顔、にやけてんだけど?」
萌「にやけてません!」
拓真「じゃ、出発するぞ!」
拓真はキーを回しエンジンをかけ車を
発進させる。
拓真「これとこれどっちがいいと思う?」
両手に持っているスーツを鏡で確認しながら
見比べる
萌「だから、なんでもいいって」
拓真「良くねぇだろ!秘書だぞ?
俺の隣に立つんだから格好良く
いてもらわないとだめなんだよ」
まぁ、お前だから…俺が好きなお前だから
格好良く隣にいてほしいってのもあるんだけどな…とゆう心の声は届かない。
そう言われた萌はスーツをひとつひとつ見て回る
「じゃ、これ!これがいい!」そう言って
萌は薄ピンクのスーツを指さす。
萌「卒業式の日、あたしはピンクの
イメージだって言ってくれたでしょ?」
拓真「あぁ」
萌「どうかな?似合うかな?」
萌は薄ピンクのスーツをあてて鏡でみてみる。
拓真「似合うよ。いいじゃん!
俺も賛成」 拓真は満足げに笑った。