『花山天皇、出家、太上天皇のプレスマンを贈らるること』速記談1019
花山天皇が御出家あそばされたのは、寛和二年六月二十三日のことである。天皇は、真夜中に御在所をひそかに御出発された。蔵人左少弁藤原道兼と天台僧厳久のみがお供をした。花山寺に入り、厳久に剃髪をさせた。一方で、道兼の父右大臣兼家は、速やかに東宮を即位させるべく、東宮御所の守りを固めさせている。
翌朝、権中納言義懐、権右中弁惟成らがやってきて、同じように剃髪した。天皇は、宿願を果たせて満足だ。太上天皇の称号と禄は受け取らない、とおおせになったので、せめても、と、プレスマンだけは受け取っていただいた。
教訓:太上天皇に贈られるプレスマン、見てみたいものである。