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第六章(4) あいつを探す By 龍也

山田家の車の運転手という人から中宮家に連絡が入った後、おじさんから僕に連絡が来た。

「波ちゃん、いなくなったんだって!山田家の令嬢も見失っちゃったみたいなんだ!」

あいつがいなくなる理由は大体、あいつの大切な人関係が多いよな・・・。

「今から探しに行こうと思うんだけど・・・・。一緒に来てくれるかな?」

あいつの大切な人関連なら僕があいつを見つけることであいつの気が少しは楽になるんじゃないか、と思った。

「すぐ行きます」


僕は車で五分で目的地に着いた。

そこには、必死であいつを探している山田がいた。山田の運転手もあちこち走り回っていた。

僕らは有名人だから、探す時に名前が呼べない。だから、見つけるにはあいつが姿を見せるしかない。


僕は山田の運転手が走り回っていたので、一つの場所にこだわることにした。

ビル街の見晴らしのいい場所に座って、通行人をよく見た。すると、僕の姿を見て走るのをやめて、うつむきながら歩くあいつを見つけた。


その後、あいつはおじさんにしっかり怒られた。

山田もおじさんに頭を下げて謝っていたが、私のせいだとあいつが主張した為、おじさんは彼女を怒ることが出来なくて少し難しそうな顔をしていた。

中宮家に帰るところに僕も同行させてくれることになった。今日来てくれたお礼におじさんがお土産を待たせてくれるらしい。


僕が客間でおじさんを待っていると、あいつが現れた。

「どうした?謝罪ならいらない」

どうせ、今日の事を謝りに来たのだろう。

「あ、あなたにだけ、伝えておこうと思いました」

そう思ったのに、あいつが僕に言ったセリフは謝罪でも感謝でもなかった。


あいつが僕にだけ話すこと。

それは、こいつの大切な人関連の話であることはすぐに分かった。

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