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第五章(8) あいつの大切な人 By 龍也

あいつから話を聞いた。その話の中でどうしても僕は、あいつの大切に思ってる人があいつを虐待しているとは思えなかった。虐待されている本人が虐待されていると思っていない可能性も考えられる。

だけど、それでも、あんなに楽しそうに笑顔で、その人に買ってもらったという服を自慢するあいつは、おじさん達といる時よりも、学校にいる時よりも、湊といる時よりも、楽しそうで幸せそうだった。

それを考えると、やっぱりあいつの思い通り、元の世界に帰してあげたいと思った。帰して、虐待にあうかもしれないと思うと怖い。僕のせいであいつが死んでしまうかもしれない、それは嫌だ。

だけどあいつの大切な人があいつを虐待していたとしたら、こっちの世界に迎えに来ないんじゃないか?

遊園地の時、その人がわざわざ迎えに来たのだとしたら、虐待している可能性は低いんじゃないか?

そう思った。だから、あいつがその大切な人ともう一度出会えて、帰りたいと言ったのなら、僕は良かったねって言ってあげたい。

あっちの世界で被害が出るとか、難しいことも言ってたしな。

こんなこと、おじさんやおばさん、湊に言ったら絶対怒られるだろうから思うだけにする。


ところで実際、どんな人なんだろう?

あいつの話ではよくわからなかったこともある。

あいつとあいつの大切な人の関係性だ。

恋人なのか、兄弟なのか、夫婦なのか、友達なのか。

他にもある。

どこに住んでいたのか、どこの家に生まれたのか、兄弟はいるのか。

そこら辺のことが全くわからない。

また今度、元の世界の話を聞こうと思った。

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