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第三章(14) やっと私の夢が叶うわ! By〇〇家令嬢

私は本当に久しぶりに上機嫌で学校に行った。

だって今日からは庶民が居ないのだもの。

庶民がここに来てからというもの、本当に大変だったわ。


そんなことを振り返りながら教室に向かうと、やはり庶民は来ないようで、安心した。

先生も私達のことには口出しできないから、いつも誰が欠席していても黙っているのに、今日は

「中宮、休みか・・・」

などと呟いていた。

たとえ中宮の令嬢だったとしても、庶民は庶民なのよね〜。


気分良く一日を過ごせた私に、さらに幸せが舞い込んできた。

「お嬢様、岸様よりお手紙で御座います」

「早く頂戴!貴方は席を外しなさい!」

私は女中が部屋から出ていったのを確認して、岸様からのお手紙を読んで、叫んだ。

「やっとよ!やっと、やっと、私の夢が叶う時が来たのよ!!!」

叫んでから部屋の中の電話をかける。

「わたくしよ」

『私も今まさに電話をかけようと思っていたのですわ』

「わたくし、明日岸様にお呼ばれしてしまいましたわ!」

『そうなのですね!おめでとうございます!』

「まあ、わたくしのことですから、当たり前ですけれども、夢が叶いますわ」

『ええ。私の夢も、貴方様のお陰で叶いそうなのです』

「あら、そうなの?」

『ええ。明日、大宮様にお呼ばれいたしまして・・・』

「あら、良かったじゃない。私と組んで、良かったでしょう?」

『これも全て、貴方様のお陰ですわ。感謝しても致しきれませんわ』

「そうね。一生、わたくしのお友達でいて頂けるかしら?」

『もちろんですわ!』

「急に電話してごめんなさいね。では、また」

『はい』

庶民を追い出すことが出来たご褒美だわ、きっと。

私は夢が叶い、それにたまたまお友達を手に入れることが出来た。


私はきっと、岸様に気に入られたのだわ!

やっと、やっとわたくしの魅力にお気づきになられたようだわ。

少し、遅いのではなくて?

ですが、わたくしを選んで頂けたこと、当たり前ですが、流石としか言えないですわ。


庶民なんかが、ここに相応しいわけ無いのよ。

本当に相応しいわたくしと岸様のお姿を、地に這いつくばって見ていればいいわ!


明日のドレスを女中に注文してもらって、ネイルや髪型のオーダーをして。


明日、わたくしの美しい姿に顔を赤らめる岸様を想像しながらベットに入る、令嬢だった。

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