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第三章(5) 二組の様子と電話 By 湊

僕たちは、あのパーティの次の日、急に響いた大きな音に驚いた。

「キャーーー」

「なんの音だ?!」

騒ぐ人のいる中、僕たちは冷静だった。

「湊、場所、分かるか?」

「ここじゃないからね〜。二組かな?」

「二組・・・」

「ちょっと見にいこ!」

僕はそのまま龍也の腕を掴んで教室の外に行き、二組に行くと、廊下からは何も見えなかった。一人の女の子が何か叫んでるのはわかったけど、内容は全くわからなかった。

教室に戻った僕たちは、さっきのことが気になってしょうがなかった。

「・・・何だったんだろうな」

「そうだね。何か壊れて落ちたとか?」

「だったら、一人が叫んでるなんて変なことになるか?みんな騒ぐだろ?令嬢だし、そんな場面に慣れてるなんて思えないが?」

「う~ん・・・」

考えてもわからない物はわからない。

「今日、家に帰ったらいとこに聞いてみる」

僕はそれが一番早いと思って言ってみた。

「ああ。何かわかったら連絡くれ」

「波ちゃんに聞けば?」

「は?」

「だって、波ちゃんも二組でしょ?」

「いや、聞くかよ」

「何でよ」

「俺らはそんな仲良くないし、仲良くなりたいとも思わない」

龍也はなぜか波ちゃんを嫌ってるみたい。龍也はこうなったら言うことを聞かない。

「え〜、まあ、いいよ。しょうがないな〜」

「頼んだ」

波ちゃんと話せるなんて羨ましい限りなのに、なんで龍也は嫌いなのかな・・・・

そんな考えこそ、考えてもわからない問だった。


家に、帰って電話を掛けると、いとこはすぐに電話に出た。

『わざわざ電話だなんて、何か急用か何かでしたか?』

「いや、ちょっと聞きたいことがあってさ・・・」

『何でしょう?」』

「今日、二組から大きな音が聞こえてきたんだけど、何かあったの?」

『いつのことでしょう?』

「朝だったと思う。僕が気になって二組まで行ったんだけど、廊下からだと人の、背中しか見えなくて、中が何も見えなくて、少し心配だったんだよね〜」

『そうなのですか?わたくしはなにも知りませんわ』

知らないはずないんだけどな・・・

少しいつもとは違う違和感を感じた。

「そう?なんか一人、叫んでたんだ。二組には君をはじめ、令嬢が沢山いるから気になってね」

『私の大切なお友達達ですわ。令嬢だなんて、思っていませんのよ』

「え、友達なの?!」

『え?』

「波ちゃ・・・中宮の令嬢とも友達なの!?」

僕は驚いた。波ちゃんは、学校のことは何も話してくれないから、てっきり友達はいないのだと思ってた。

そっか、波ちゃんにも友達がいたんだ。

僕は少し安心した。

『え、ええ。もちろんですわ!』

「そっか〜。急に電話してごめんね。おやすみ」

『・・・・はい』

今日の出来事が何もわかっていない上に、電話に違和感を覚えたのにも関わらず、自分の知らない波ちゃんのことが少しわかって浮かれていた湊だった。


そして、その頃、怒りの感情で別の場所に電話をかけ、

「明日こそは!!!!」

っと電話口に叫びつつ、気持ちの悪い笑い声で笑っている人がいた。まさか、この人によって、明日、大変な事件が起こるだなんて、誰も思っていなかった。

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