第三章(4) 変わってしまったクラス
次の日、私が学校に行くとクラスの状況が変でした。ドアを開けても誰も私の方を見ませんし、誰も私に話しかけてきません。こんなことは、今までありませんでした。とりあえず自分の机に行ってみると、机にはたくさんの落書きがされていて、その言葉たちは私が昔、あの人にたくさんかけてもらった言葉でした。その言葉をあの人じゃなくて今のクラスの人たちが書いていることが、思っていることが、理解できませんでした。私は、この人たちに愛される事はしていません。この言葉たちは、あの人に言ってもらわなきゃ困ります。そんなこと思いながら椅子に座りました。
「あら、ここにはもう居場所はないわよ?」
「え?」
急に声を掛けられて驚いて振り向くと、クラスの女子たちが固まっていました。
「ここはね、あんたみたいな人間はいるべきじゃないのよ」
「あの、何のことですか?」
居場所?ここに居るのは、あの人を探すため・・・
「しらばっくれるんじゃないよ!!!!」
私の机が遠くに飛んで、大きな音を立てました。
机が蹴られたのだと、私と話していた人、いつもクラスの中央にいた、確か、栗松さんという方を見て思いました。
「あれほど身をわきまえろって言ったわよね?」
「はい」
「意味わかってんの?」
「分かってるつもりです」
できる限り近づかないようにと、ちゃんと学さんから学んでいますから。
「だったら なんでパーティーにいたのよ!?」
「パーティー・・・」
「そうよ!昨日あなた、岸様のパーティーに来てたでしょう?あれほど、私が注意をしてあげたのに、どうして岸様と踊っていたの!?」
「いえ、私は誘いをお受けしたまででして・・・」
断れないことは、皆様令嬢なのだから、知っているはずです。私も、ちゃんと学さんに言われているのですから。
「そんなこと聞いてるんじゃないのよ!あなたならもっと自分に合う服を来て行くこともできたでしょ?」
私、に、合う、服・・・
「分かった?邪魔なのよ!あなたみたいな庶民が、岸様の手なんて、握るんじゃないわよ!」
確かに、私の行動は、過去の私には信じられないものでした。学校に通って、あの人と関係者以外に関わりのある人が出来るなんて。毎日美味しいご飯があって、服があるなんて。
忘れていた。私にとって、全てが合っていないのだから。
私に合う服など、ここにはない。
私に合う人も、布団も、立場も、何もない。
大切なことは、私は早くあの人のところに帰りたいということだけで、そのために今、どうするのかということだけでした。まだ、私を迎えに来えくれていません。私の代わりになってる人はいないでしょうか。私の分の穴埋めは、私にしか出来ないことですのに。
だけど、今の状況だとしたら。
ここにいれば、きっと、あの人が助けに来てくれるのでは?
あのとき、私を助けてくれたみたいに・・・・
そう思うと、ここにいなければならないとも思うのでした。




