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第二章(11) 私の周りとダンスの練習

学校に通うようになって何日かが経ちました。

私の周りは変わりました。はじめに学校に行った日はとても賑やかだった私の周りは、今では凍りつくような空気なのです。はじめのうちは、あの人のことを思い出せて心地よかったのですが、少し経つとあの人とは全く違うことに気がついて、私はまた悲しくなるのでした。

「ねえ、中宮さん」

「何でしょう?」

私に声をかけてきたのはこのクラスのリーダーと言ってもいい女の子でした。

「あなた、ホントに何でここに来たの?」

「なんで、とは?」

「だって、あんた、中宮の令嬢じゃないんでしょ?」

「ちょっと、何いってんの!中宮さんに失礼すぎるわ」

「ホントそれ、もっと言い方考えなよ〜」

「事実でも可哀想じゃーん笑」

「事、実・・・」

「え、皆様ご存知無くて?こいつは中宮でも、令嬢でもない。ただの庶民も庶民ですわ」

・・・・

「なんか言いなさいよ!!!」

「・・・・・」

「いいわ。いつか自白させてみせる。その前に、身の程わきまえなさい」

最近は、毎日こんなふうに言われるのです。私の周りに、私の味方をしてくれる人は一人です。でも、その人も最近話してくれなくなりました。寂しくはないです。私には、あの人がいればそれでいいのです。なので、何と言われても、あの人が私を迎えに来てくれるための条件だと思うことにしました。それでも、いくら待ってもあの人は私を迎えに来てはくれないし、あの人のいる場所は見つかっていないみたいでした。私の頼みは、今度の湊様のパーティであの人と会うことです。だから、家に帰ると先生という人にダンスというものを習っています。ダンスが踊れるようになったら、あの人は褒めてくれるでしょうか。私を見て、お酒が飲めるでしょうか。微笑んでくれるでしょうか。それだけを考えながら一生懸命練習して、ついにパーティの日を迎えました。

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