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第二章(10) 参加するのかしないのか By 学

僕が仕事を終わらせたことにはすでに深夜0時を超えていた。

「お疲れ様」

妻が仕事場から出た私を出迎えてくれた。

「早く寝ないと肌に良くないよ」

「でも、波ちゃんに何か食べてほしいのよ」

「こんな時間に起こすのは申し訳ないよ。寝かしてあげよう」

「でも・・・・」

「彼女だってお疲れだよ。始めて学校に行った日に、一組の二人に声をかけられるなんて、クラスでも大変だっただろう。休ませてあげるべきだよ」

「・・・そうね」

妻はとても心配性なのだ。僕は妻に先に部屋に行っているように言って、寝る準備をして部屋に行って寝た。


次の日の朝、波ちゃんは目の下に隈を作っていた。

「波ちゃん、夜眠れなかったの?」

「いいえ。ぐっすり眠れました」

「お腹すかなかった?」

「大丈夫です」

妻の質問に普通に返事をしている波ちゃんを見て、成長したな、と思ったと同時に心配になった。

波ちゃんは昨日と同じように学校に行った。

そして、今日は一人で帰ってきて、少しだけホッとした。


「学校はどう?」

「楽しいです」

「そう」

「で、今日は昨日の岸様のお誘いについて話がしたかった。波ちゃん、ダンスできる?」

波ちゃんは首を横に振りました。

「そっか・・・。それなら、断るしか無いわね」

「あの、行く、と、何か、あったり、しますか?」

「・・・もともと岸様のパーティは小規模で定期的に行われていると聞く。今回参加しなくても・・・」

「人、来ますか?」

「人?岸様の招待を受けた人なら参加できるからね」

「私、参加、したい、です」

「「え!?」」

波ちゃんはいつもよりも話していて驚いたし、何よりも波ちゃんが参加したと言ったことに驚いた。

「理由を聞いてもいいかな?」

「・・・帰れるかも、しれないから」

「「・・・・・・」」

波ちゃんは、少しずつ、この世界に慣れてくれてると思ってた。僕たちを家族として見てくれてるんじゃないかって。でも、多分そうじゃなかったのかもそれない。僕たちに話していなかっただけなのかもしれない。

「波ちゃんの帰る場所は私達が探しているから、パーティに行く必要はないのよ?」

「でも、早く見つかるなら、見つかったほうがいいと思います」

「でも・・・」

「まだ、見つかってませんよね?」

「・・・・・・」

見つかってない、いや、探していない。返すわけにいかないから。たとえ、本人が帰りたいと言ったからといって、僕たちは返してはならない。

「それなら、私が同行しよう。それなら一人で行くよりも安全だし、多くの人を見ることができる。どうかな?」

「はい」

そう言いながら私に向けた笑顔は忘れられるはずがないほどに目が輝いていた。

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