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第二章(7) お客様 By 学

仕事中の僕に電話が来たのは驚いたし、妻が安在さんだと言うので、波ちゃんに何かあったのでは無いかと思ったが、違った。

「すみません。大宮様とその御学友だという岸様をお屋敷へお連れいたします」

「・・・わかった。話は全て終わってからにしよう。こちらは大丈夫だ。安全第一でこちらへお連れするように」

「もちろんでございます」

電話をすぐに切って、僕は妻に話の内容を伝え、客人をもてなす為、それぞれ準備を始めた。

そして、家の門が開く音がして、私達は家の扉を開けた。

僕は車の扉を安在さんが開けたのを見て、

「岸湊様、大宮龍也様、はるばるお越し頂き誠にありがとうございます。どうぞ、こちらへ」

と二人に言ってから僕と妻は頭を下げた。

僕は二人を客間へとに案内、妻は波ちゃんの身だしなみを整えることになっていた。


「急に来て、驚かれたのでは?」

「ええ、とても」

「僕、一回来たかったんです。龍也がよく来てるみたいで僕も一緒にって言ったら毎回断られるので、来れなくて」

「岸様がそのようにおっしゃられるような場所では御座いませんが、私達はいつでも歓迎致します」

「ちょっとおじさん!」

僕は少し、龍也のことを心配していた。

ここに来てくれるのはとても嬉しいが、両親と過ごせなくて寂しくはないのだろうか、とか、友達はいるのだろうか、とか。けど、その心配はいらなかったみたいだ。龍也には、とても良い、友達がいらっしゃる。

僕が客間にお二人を案内すると、シェフがアフターヌーンティーのセットを運んできてくれた。二人は、喜んでくれたようで安心した。

「ところで、今日はどのようなご要件でいらっしゃったのでしょう?」

「そうそう、『中宮』って『大宮』の子会社であってる?」

お客様はとてもしっかりしているようだった。さすが、岸家のご子息。

「ええ」

「女の子を養子にとるなんて、なかなか面白いね。気に入ったよ」

「ありがたいお言葉でございます」

その時、扉が開いてドレス姿の波が来た。妻が選んだドレスはとても波に似合っていた。

「中宮さん!めっちゃ可愛いよ!」

岸様はあっという間に波の隣りにいて、波と話し始めた。

「もったいないお言葉、ありがとうございます」

「ねえ、中宮さん、ダンスできる?」

「・・・だ、ん、す?」

「そう!今度うちのパーティがあるんだ。龍也も来るから、中宮さんも来てよ!」

「それは・・・・」

波は僕の方を見た。

パーティに誘うほど、波ちゃんを気に入ったのだろうか?

少し、複雑な心境になった。

いやいや、そんなことよりも、波ちゃんにダンスは教えていないし、できるかどうかもわからない。それに、外に出れば、元の世界の人に出会ってしまう可能性もある。

僕は精一杯考えるのだった。

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