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第二章(6) 学校帰りの出来事

学校というのはとても疲れました。

私の住んでいた世界での学校というものも、こんな疲れるものだったのでしょうか?それなら、行かなくて良かったかもしれません。

そんなことを考えながら歩いていると、私は遠くから呼ばれました。声のした方へ行ってみると、そこには岸様がいらっしゃいました。

「岸様、ごきげんよう」

「中宮さん、一緒に帰ろう!」

皆様一緒に帰りたいのですね・・・断らなければ。

そう思っていると、

「は?お前何言って・・・」

と、岸様のお隣で声がしました。隣りにいたのは龍也様でした。龍也様と岸様は友達ではないのでしょうか?

そんなことを考えていましたが、断るのが先です。

「あの、すみません。今日は迎えが・・・」

「あ、そうなの?」

岸様もお迎えが来ていると言うと、断ることができるのではないか、と思ったのですが、

「ねえ、中宮さんの迎えの車、どれ?ちょっと、運転手さんと話がしたいんだけど」

と、言われてしまいました。

学さんから、一組の皆さんに接触することはあまりないようにとおっしゃいながら、教えられていたことを思い出しました。私はその教えの通り岸様を迎えの車のところへ案内します。私が車に近づくと、安在さんは車から降りて、私のところへ来ました。

「安在さん、すみません」

「いかがいたしましたか?」

「岸様が、お話がしたいとのことでして・・・」

と安在さんに言うと、安在さんは岸様に敬語でご挨拶をしたあと、岸様と少しお話をしていました。

「波様、先にお乗りくださいませ」

と安在さんに言われて、私は車に乗りました。

すると外から

「龍也!許可降りたよ!!乗っていいってさ!」

「はあ?!」

という男の人の声がしました。

そして少しして、岸様と龍也様が車に乗ってきました。

「ごめんね~。ちょっとお話したくてさ!」

「お気になさらず」

正直なところ、とっても怖いです。

これは誰の指示でしたのか、わからないからです。

私の判断で勝手にこの方々をクルマに乗せてしまったのではないかと。家に帰れば学さんに怒られてしまうのではないかと。

車の中では、誰も話すことはありませんでした。


そして、家につくと門が開いて、玄関から学さんと陽子さんが出てきました。

「岸湊様、大宮龍也様、はるばるお越し頂き誠にありがとうございます。どうぞ、こちらへ」

学さんは二人に言ってから頭を下げ、陽子さんははじめから頭を下げていました。

今までに、見たことのない、学さんと陽子さんの姿でした。

二人はそのまま学さんに案内されていきました。

私は陽子さんに声をかけられて、部屋に戻り、車から戻ってきた安在さんによって、髪を結われ、うすピンクのドレスを着せられました。

そして、陽子さんの案内で、客間という部屋へ行くのでした。

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