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第一章(11) 話はつい盛り上がります By 陽子

私達はいつものように子どもたちを部屋に残して、男女それぞれ部屋に入った。隣の部屋には夫と義兄様がいる。

「ごめんね。今日もあんまり時間取れなくて・・・」

「悲しいけど、仕方ないことよ。気にしないで」

「ありがとう」

香織はとても忙しい。家の妻として、茶会を開いたりはもちろんながら、さらに元は会社の社長でもある彼女は今も現役で仕事をしている為、とても忙しい。

「でも、羨ましいわ。娘だなんて。うちは男の子だったからそれで後継者の話は解決して、それ以上の安心もないけど、私は女の子も欲しかったのに」

「ずっと言っているものね」

彼女は本当は女の子が欲しかった。

妊娠してるとき、性別がわかるまでは女の子がいいなー、なんて話していた。

「もう、陽子ずるい!」

その言葉に、なんて言っていいか、わからなくなる。ずるいだろうか?養子という形だったとはいえ、女の子を養子にとったのは、ずるいだろうか?私は、養子を取らざるおえなかった。そう、私は・・・

「ずるくはない、と思うわ。私は、愛する人との子を宿せなかっただけ」

本当は自分の子が欲しかった。叶わない夢だった。

だから私は波さんを自分の子のように思っている。

「ごめん・・・」

「謝らないで。今度娘と一緒にお茶でもする約束、叶えるわよ」

暗い雰囲気になりかけたところを少しでも明るくしようと明るく言う。

「そうね!楽しい事が先にあると、今を頑張れそうだわ!」

「応援してるわ」

「ありがとう」

その後も世間話や旦那の愚痴を言い合って、

「香織、時間だ」

「陽子、波さんのところへ戻ろう」

という声がドアの外から聞こえてゆっくり話せる時間の終わりが告げられた。

「えー、もう?」

香織はまだまだ喋り足りない様でごねている。

「香織、早く行って、子どもたちの様子、見ましょう?」

「そうね!行くわ!」

よかった〜。正直、長い付き合いだから扱いはわかるのだが、これがまた難しい。こうなったとき、いつも私がごねているのをどうにかできるのだ。普段、義兄様がどうしているかは知らない。

どうしてるのだろう?

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