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2-2 聖女の誘拐


「ひゃっほーい!!」


「いい気持ちねー!」


私は王子妃を助けた私への褒賞として王室御用邸へのバカンスを与えられた。


そしてせっかくなので王宮勤めの働く女性たちも連れて行き、一緒にバカンスを楽しむという一大イベントを決行した。


希望者にはマユタ監修の水着の貸出しを行い、ドキッ!女だらけの水泳大会の開催の運びとなった。


流石に女性のみの大会といえども、ビキニ・タンキニ・ワンピースタイプのどれでも拒絶する人も居る。だが参加者の半分くらいは装着してたんじゃないかな。


私が選んだのはホルターネックのビキニにパレオを巻いたタイプ。


マユタはリボンタイプのビキニに薄地のパッカー付きシャツ。


こちらでは「泳ぐ」事は最早軍事訓練なので一緒に泳いでくれるのは女騎士さんくらいだった。ただあまりにも楽しかったため、毎年恒例にという声が上がるほどだった。


「マユタばあさんや。いい眺めだのう。」


「ズズじいさんたら目がいやらしいですよう。でも ほんに良い風景で。」


「やっぱ社内福利厚生って大事〜。」


「王宮予算で余裕があればなぁ。水着流行らせてお金を稼ぐのも良いかも。」


「別に湖まで来なくてもさ、王宮周りでプールくらい作れば良いじゃん?」


「確かに…災害時には生活用水として利用すればいけるかも。」


「王子妃 応援しますぜ。この異世界をハッピーにしてやりやしょう。」


「ふふっ・・・・やっぱり、私にとってズズは聖女だなあ。」


「あはは。そういえばきっかけはそれだった。」


「ありがとう」


「なんの。今はもうお互い様だよ。」


「そうだ 私らは侍女含め全員明日 朝に帰っちゃうけどディーノ兵士団長と2人で残るので良いのね?」


「うむ。明日はデートで仕返しの日なので2人が良いのです。」


「わかったーじゃ楽しんで〜」





ーーーーーーーーーーー


「という事で仕返しのお時間です!」


「わかった。どうにでもしてくれ。」


「ではここにマユタを拘束した鎖があります。これで木にミトさんを縛りつけます!」


「…案外と緩めだな。手足が結構動かせるけど良いのか?」


「ええ!自分で鎖を外していただきますので!!」


「それ 意味ないだろう。」


「そんなことないですよー。あら不思議、鍵が他の鍵と混ざってしまいましたぁ!!さぁ大変だぁ!」


「時間をかけても良いから自力脱出しろという事か。ふっいいだろう。」


「では検討をお祈りしますね。」

私はミトさんの膝に乗ってキスする。しかもちょっと深めに。


ミトさんはうっとりして私の腰に手をかけようとたが

ガショッ!!

「ぬぬう!小癪な!!」


「絶妙に抱きしめきれない長さでしょ?ふふふふふ。」


「くっ!鎖をすぐ解くから覚えてろよ!」


「ではその間に私は新作の水着で泳いで待ってますね〜。」


「はあッ???」


「ちなみに今既に下に装着済みですので、ここで普通の服は脱いじゃいます。」


「ちょ!おい!!」


ミトさんの手が届くか届かないかという距離で着替えを始める。

最初はブーツ、靴下

次にカーディガン、ネクタイ

髪の毛のバレットを外し始めたら


ミトさんが意味不明な叫び声をあげはじめた。


次いでスカートを脱ぎ

シャツを脱いだ


「お前!!それもう裸だろう!!」


「違うもーん。マユタと一緒に復元した水着だもん。だから恥ずかしくないんですー。」


「ぐ**ガゴッ***ぶがぁ!」


「鎖を力任せに切っちゃ駄目ですよ?仕返しにならないんだから。」


「わ・・わかったっ!鍵で・・・外せばいいんだろうっ!?」


「そうそう。では泳いできますネ。戻ったら手が届かない目の前で休ませてもらいます。」


「この…悪魔っ!」







結果 私が3時間かけた所をミトさんは執念で1時間半くらいで外してしまった。その時私は泳ぎ疲れて彼の横で休憩中です。


「おい、ユズル、起きろ!」


「むにゃあ。あと1時間。」


「イタズラされたいのか、そうか。」


「ハイ、起きます!もう外れたのですか、凄まじい執念を感じます。予定よりお仕置き時間が短い。

まだ時間があるのでもうワントライしましょうか。」


「もう充分過ぎるほど仕返しされたぞ!!これ以上やったら悶え死にするわ!!!!」


「おお なかなか良い言葉です…悶え死。実際には死にそうになさそう…。

ちょっとその悶えた状態を見逃してしまいました。残念ッやはりここはもう一度行っときましょう!」


ミトさんのこめかみがピクピクしている。ここは罵声が返ってくるかと構えていた。


「良いぞ。その代わりお前は俺の膝の上な。」


「ほほう、自ら苦しみにのたうつのですね?途中ギブアップするならペナルティつけちゃいますよ?」


「いいから早くしろ。」


私はカチャンカチャンと鎖を再び付けた。鍵も両手足4つ分は念入りに混ぜた。


「ほら、来い。」


「なんか調子狂うなぁ。水着で密着は恥ずかしいのでカーディガンは羽織らせてもらいますねー。」


まあ慣れたといえども1時間を切る事は無かろう。その間散々おちょくってしまおうっと。


「キスしてくれ」


良かった、他に人が居なくて。流石にこの姿を見られるのは恥ずかしい。

さっきと同じくらいのキスを交わす。


んが!ちょっと深すぎる!大人の口付けだよ!いやそんな、確かに成人はしてますけど、なんか…口の中を嬲られるという言葉がぴったりです。


器用にもキスしながらミトさんは箱からじゃらじゃらと鍵を探す。


「んんっ」段々とヒートアップしますがこの人は鍵に集中しなくていいのでしょうか?


ーカション。

ーカション。

ーカション。

ーカション。



「んんんんんっ?」


「おら、取れたな。」

ミトさんの手が自由になり、ぎゅっぱぎゅぱと目の前で振られる。


「え?嘘ぉぉ。だってそんな数分も経ってない・・・」


「という事でご褒美をもらうぞ?」


「なんでこんなに早く外せたの?」


「まぁ、種明かしするとな、先に外した時に形状を覚えておいたのと傷を付けておいたから手探りで当たりを付けたりだな。案外と上手くいったな。」


「それでも手探りだけで分かったの?すごい!凄すぎる!!自分だったら絶対無理だもん!・・・兵団長って優秀じゃないと務まらないんだぁ。すごいなぁ。

かっこいいです!」


ミトさんはみるみる顔が赤くなっていった。

「おまっ、ちょっ、ずるっ」


「へ?」


「〜〜〜〜覚えてろよ。


ほら!今日のうちに王宮に戻るんじゃなかったか。」


「まだ時間がありますよ?」


「俺が耐えられん!今日の褒美は別の日にもらうことにするからな!」

プリプリと怒るミトさん。復讐としては満足した。次はどんな復讐をしようか楽しみである。










後日談〈ミト〉


「人生の中で一番甘く辛い拷問だった。異世界人は怖いと思う。」


後日談〈ズズ〉


「ミトさんは兵団長クビになってもスリとして大成できそうだなぁ。」

後半は最早誘拐とは全く関係ない…。

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