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OL小杉の呑み語り。2

作者: unknownさんだよ

或る日の午後のこと。

ガチャリとオフィスのドアが開き、二人の人が入ってきた。


前に男性が、その右後ろに女性が楚々とした足取りで男性の後を追う。その女性なのだが、ココに長く務める私でも知らない顔だった。

男性はよく知る人だ。ブロンドの掛かった茶髪、服装は滝沢君と同じだが、ネクタイに白銀のネクタイピンが付いている。

ウチの部の若手プログラマー、「古谷 薫」(ふるやかおる)部長。(ちなみに、私と滝沢君は一応課長)既婚者。

そしてもう1人の女性。

ショートボブの黒髪は、毛先が赤紫で染まっている。

グレーのパンツスーツを身に纏い、上着とシャツの間にベージュのカーディガンを羽織っている。

靴は、背が高いのでハイヒールかと思ったがパンプスだったので、彼女自身が高身長なのだろう。

そして見たまえ、あの北半球。特に男性陣。

なんだあの漫画みたいなボリューム。今すごい自分が惨めになってくるよ。

「…羨ましい?」

小声で滝沢君が尋ねてきた。うん羨ましいけどお前後で殴る。

とその時、

「おーい小杉、滝沢。ちょっといいか?」

古谷部長に呼ばれ、「あはーい」と2人してハモリながら彼の元に向かう。


「紹介するよ。こちら上条 莉奈さん(かみじょうりな)。元々広報でウチのソフトのPRをしてたんだけど、社長の指示でウチの部に異動になった。」

古谷部長の説明と共に、上条とか言う人が一礼した。

「はじめまして。上条莉奈です。古谷さんの説明の通り元は広報で我が社の宣伝活動を行っていました。不束者ですがこれからよろしくお願いいたします。」

流暢な日本語ですらすらと語る上条さん。

ウチの収入の1部にこの子が携わっていたのか。言葉遣いからも、美人さんかと思う。女の私でも惚れてしまうね。

「因み、異動の理由は?」

滝沢君が尋ねる。確かに、なんなんだろ。

「彼女ね、売り上げとアンケートから、次どんな商品が求められているか細かくピンポイントに分析出来るの。しかも5年先まで予測可能。」

何それすげー。偶に誰がこんなの欲しいんだとか思うソフトウェア何個か作った事あるけど、どれも2~3年すれば収入源の1部になっている事なんてあったもんね。 って、いやいや。

「ならわざわざ開発に異動する必要なくないですか?次こんなのが欲しいって言ってくれればウチで…。」

「社長曰く、自分で考えて自分でプログラムを組んだ方が、納得のいく商品になるだろ。だって。」

え〜何それ意味わかんない。

「だよね俺も思った。」

「…人の心の中読まないでくださいよ。」

ジト目で返せたけど内心今怖かったよ。

「んでさ、この娘今日からここで働くわけよ。彼女プログラミングやったことないし俺も仕事で忙しいからお前ら二人に面倒見てもらおうと思って。」

「まぁそれならいいですけd… 待って今なんてプログラミングやったことないって!?」

サラッと流しちゃったけどなんかすごい爆弾発言しなかったこの人!?

「えっうん。」

空耳幻聴の類いではなかったようだクソっ。

「という訳で、お二人さんには教育係を押し付け…失礼、教育係に任命します。いいね?」

ここでいいと言うと思ってんのかこの人。

「異論は認めなーい。」

「っていうかそういうのって普通午前中に言ってくださいよ!!もう午後ですよ知らん間にお昼休み終わってますけど私の鑑賞時間返して下さいよ!!!」

「知らん。」

ひっど。

「午前中はずっと異動の手続きしてたんだよ。」

そういうのって予定日までにこまめに進めておくんじゃないの?知らんけど。

ってアレ?さっきから滝沢君無言過ぎない?

アレ横にいないよ何処に逃げやがった彼奴。

って思ってたら、

「これ参考書。貸しておくから本格的に仕事が始まるまでに読んでおいて。」

上条さんに分厚い本を渡す滝沢君。それは彼が持ってる「ソフトウェア制作・プログラミング入門」なる本だった。あぁ、それ取りに行ってたのか。

「専門用語辞典も中にあるけど、困った時は俺と小杉さんに言って。」

「はい、ありがとうございます。」

それを丁寧に受け取りぺこりと頭を下げる上条さん。

「一応机は近くにしとくから、これから彼女のことよろしく。」

「「はい。」」


「お疲れ様でしたー。」

18時。ぽつぽつと帰る社員が出だした頃。私、滝沢君、上条さんの3人で、古谷部長とその机の周りに集まっていた。

「どう上条?初日は?これからやっていけそう?」

「…そうですね。少なくとも明日までは滝沢さんに参考書を借りないといけませんね。なかなか用語が頭に入って来ないです。」

苦笑しつつそう告げる上条さん。まぁ、私や滝沢君もそうだったから、そのくらいが当然だろう。申し訳なさそうな顔もする必要はないね。

「そうか。まぁ結局慣れだな、どこに行っても。出来るようになったら、ちゃんとウチの戦力になってもらうぞ。」

「はい、頑張ります。」

「…それじゃあ、」

と、部長が区切ると、さっきよりもややハイテンションで、


「呑みに行くかー!!」

そう言ったのだった。


初めての人ははじめまして。

続けて読んで下さった方はこんにちは。

unknownです。(さんだよはまだおまけ)

今回で、主要キャラが一応揃いました。わーい。

次回はいよいよ飲み回です(なんだよ飲み会みたいな)。漸く一区切りですね。


ここでは、主要キャラ4人のちょっとした設定をご紹介します。

小杉愛梨(26)155cm

滝沢慎(26)172cm

古谷薫(32)176cm

上条莉奈(24)160cm

です。どうですか?身長が自分に近い人はいましたか?ちなみに僕は滝沢君と古谷さんの間の174cmでした。


次回も頑張りますので、僕の作品を読み続けて貰えると嬉しいです。それでは、サラダバー。

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