謎の帽子 前編
本日二回目の投稿です!
がんばりました!
リサ姫に案内してもらってついた場所は、城の中にある図書館のような場所だ。巨大な本棚と本に覆い尽くされた空間だ。この空間の中をリサ姫と俺は進んでいく。
「リサ姫、なぜ私達は、図書館にいるのですか?」
俺は、ずっと気になっていたことを聞いた。
「それは、ここにクラウンがいるからです」
「その、クラウンって、誰ですか?」
「それは、会ってからの楽しみです」
「はぁ」
そういわれて、たどり着いたのは、図書館の、一番奥にあると思われる、場所だった。しかし、そこには、リサ姫と僕以外の人が一人もいなかった。
「リサ姫、クラウンさんは、ここに、いないらしいですね」
そう言ってリサ姫を見ると、クスッと笑っていた。それは、笑顔には程遠かったけど、俺の見た彼女の最初の笑いで、こんな顔もできるんだ、と思った。そして、俺からしたら凄く可愛かった。でも何で、急に笑ったんだろう?
「坊や、私に用があるのかね?」
嗄れた声が周りに響いた。
「どこだ!!」
俺は、とっさに身構えていた。そして周りを見回すが、どこにも人はいない。じゃあ、声はどこから聞こえたんだ?
「ここじゃよ、ここ」
「?」
「おぬしの目の前じゃよ」
そう言われて、前を見る。やはり誰もいない。あるのは、椅子とそれにのっている、大きな、魔法使が頭にかぶるよえな帽子だけだ。そしてその帽子が、ふらふら揺れている。
やっぱり、何もないじゃないか。あるのは、椅子と揺れている帽子だけだ!....まてよ?なんで帽子は揺れているんだ?風も室内だからないのに。
「まさか、帽子か?」
「当たりじゃ!ようやくわかったか」
帽子が言葉に合わせて大きく揺れる。
「はは、まさかこんな帽子があるなんてな。異世界なめてたよ」
俺は、大きな脱力感と共に盛大な息を吐いた。そんな俺を見て、リサ姫がまた、クスッと笑う。
「やっぱり笑っている方が、リサ姫は、可愛いいな」
「えっ!」
言った直後、俺は、言ったことの意味を理解し、リサ姫と共に真っ赤になってしまった。
「さては、おぬし、天然のたらしか!」
「たらしじゃねぇよ!」
このクソ帽子が。黙ってろ。まぁ、これは、俺も悪いんだけど。
「影山様は、私のことをどう思っているのですか?」
「グハァ!!」
急な、リサ姫の可愛い質問&上目遣いは影山慧に大きなダメージを与た。
十四年間、友だちも恋人もいなかった俺に、そんな質問答えられるわけないだろう!リサ姫は、何を考えているんだ!
俺には、美少女耐性なんてないんだよ!
どうやってこれを切り抜けばいいんだ!
ここで読者の皆様に勘違いをされないよう、説明をします。リサ姫は、影山慧を、好きになったわけではありません。ただ、純粋に他人からの自分の評価を聞きたいだけなのです。そのために、リサ姫は、質問をしました。そこに、上目遣いと可愛い質問がプラスされるのは、彼女の魅力と思い受け取って頂けたら幸いです。
(by 作者)
「まぁ、おぬしたちは、儂に用があるのじゃろ。その用を済ましたら、今の続きをしなさい」
そこに助け船を出したのは帽子だった。
「帽子ナイス!ナイスアシストだ!ほらリサ姫、何しにこの帽子に会いに来たのか教えてくれ」
「これ!儂にはクラウン、という名前があるのじゃよ」
リサ姫は、ムッとしたが、すぐに気持ちを切り替えて話し出した。リサ姫の、この切り替えの早さは、見習わないと、俺は思った。
「実はこの新しい勇者である一人である、影山慧様の職業が、私や騎士たちの知らない職業なんです。こういうことはクラウンに聞けばいいと思ったので連れてきました」
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