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これ何てラノベ?

ラノベっぽい彼

 気になる彼には幼馴染の女の子がいる。


 その子は同性の私から見ても可愛らしくて人気者。彼のことを昔からの呼び名で呼んで、今でも家を行き来している。しかもお互いが初恋の相手らしい。


 彼にあの子のことが好きなのか問うとムキになってそういうのじゃないと言われ、あの子に彼のことが好きなのか聞くと恥ずかしそうに首を振る。


 誰から見ても両思いのその状況を、誰が邪魔できるというのだろう。


 初恋は叶わないとか、主人公は幼馴染属性とはくっつかないとか、自分に都合のいいことを考えても結局は慰めに過ぎなくて。


 当て馬になるつもりもない私はさっさと彼を諦めることにした。


 可愛い幼馴染がいるとか何のラノベだよ。

 当然のように並んで帰る二つの背中を横目で見送ると、ふと視界に別の学校の制服を着た外国人風の美少女が入る。


 校門で誰かを待っていた様子のその美少女は、彼を見つけると勢いよく抱きついた。


 彼はもちろん幼馴染のあの子も目を白黒させている。


 なんだなんだと遠巻きに見守る野次馬たちに混ざって聞き耳を立てると、その美少女は彼と昔結婚を約束したいわゆる婚約者なのだそうだ。


 当然幼馴染のあの子は目に涙をためて走り去って行ってしまった。彼は美少女を引き剥がし、昔の話だからとかなんとか言い訳をしている。


 そこに突然、騒ぎを聞きつけた美人生徒会長が現れた。彼女は風紀に人一倍うるさく、校内でイチャつく男女がいようものなら即厳重注意をしてくる。


 今回も例に漏れず彼がガミガミ怒られていると、一陣の風がなんと生徒会長のスカートを思い切りめくり上げてしまった。


 彼はバッチリ目撃してしまったようで焦りまくっていたが、問題は生徒会長の方だった。


 普段はしかめ面の多い彼女が顔を真っ赤にして縮こまっている。彼が謝るとハッとした様子で声高に叫ぶ。


 責任をとれと。


 戻って来た幼馴染と引っ付いたままの美少女、更には美人生徒会長に囲まれた彼を見て、私は心底この恋を諦めてよかったと思ったのだった。

(作中のラノベは特定の作品のことではありません!)

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