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破滅の呪い

 破滅の呪いだなんて大層なものを信じていなかった。私は緩やかに迫る死の予感に目を瞑る。左手の甲に刻まれた傷は悪魔の文字を象り、焼け付くように痛んだ。このまま私の魂まで蝕んでゆくに違いない。


 この呪いを刻んだのは彼だった。


 身分違いの私達が唯一一緒になれる方法だと、二人で生きて行ける呪いだと言うから身を委ねたのに。

 一足先に魔法陣の上で動かなくなった彼を恨みながら、私は来世はもっとまともな人と幸せになりたいと願った。

 彼が本当に私を愛していたならば、魂までは囚われないはずだ。多分。

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