表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

仲良しの友達がある日突然変わってしまったら?

作者: 神名代洸
掲載日:2019/07/17

仲のいい友達がいた。

いつも一緒の子だ。

よくやることも似てるから兄弟とも勘違いされたこともあった。

僕らはそんだけ仲良しだった。



だけどさ、どんだけ仲が良くったって喧嘩だってするよ。

今回もそう…些細なことが原因だった。

それで意地悪したくなった僕はその子に意地悪を仕掛けた。

その子の机から明日の授業に使うはずの教科書を持ち出したんだ。彼は気づいていない。

よし、なら次は…。

と、少しずつ悪さをしていった。

そして夜の学校に行くように仕向ける。

もちろん学校には先生が当直でいるのはわかっていた。その時間を狙ったから。


その子が忘れ物と称して教科書を取りに行ったのは俺らの教室。三年一組だ。

一学年1クラスしかないから当然六年生まで全員同じままだ。



さて話は戻るけど、2人づつ散り散りになって脅かそうということになってるから皆カメラも手にしている。驚いた顔をカメラに収めるのだ。

タイミングを見計らって脅かす。ただそれだけのはずだったのに何故か悲鳴が聞こえてくるのだがその声が脅かす相手ではなく脅かす側だった事に僕は驚いた。

その声を聞いた友達もきっと今頃は悲鳴を出すまいと頑張っているに違いない。

僕も怖いよ。

そばには2人ダチがいるけど、そのダチも怯えてる…。


「さ、さっさとやって帰ろうぜ!」

「お、おう!?」

「なんだよ。お前らもしかして怖いのか?」

「こ、怖くなんか…あるものか。お前が怖がってるんだろ?」

「なにー!」

「なんだよ!ヤル気か?やるならやるぞ!」


なんてことになってしまったのだが、突然廊下で何かが倒れる音がしてビクッとなってしまった。話どころではない。


さっきまでのケンカはどこえやら今はお互いがくっついてブルブルと震えている。



僕の後ろに2人がくっつく形で這いずっていった。音がした場所までやってくるとそこにはあるはずのない脚立が倒された形になっていた。

まるでついさっき誰かが使ったかのような…。

ありえないよ。だってここ廊下だよ?暗いじゃん。

そう、確かに暗かった。



そんな時1人のダチがこんな話を始めたんだ。

今言うか?ココで…。


そう、それは……。




夜の学校には霊が出るという噂があるらしい。

それもただの霊じゃない。

怖い霊だって。

何でそれを知ってるかって?それはね、前この学校を卒業した先輩から聞いた話らしい。

その先輩曰く、この学校は戦前からあり、この場でたくさんの血が流れたっていう話だ。

その時亡くなった人…特に子供の霊が現れるということらしい。

見た子もいると言う。

頭から血を流しながら追っかけてくるって話だ。

そんな話を聞いた後、また違う場所から叫び声が聞こえてきた。もう先生にも聞こえてると思うけど、まだ見つかってないと思って声がした方向へ怖がりながらも走って行った。

そこには懐中電灯が1つ廊下に置かれていただけで友達の姿がどこにもなかった。

ま、まさか…さっきの話が本当だとしたら…。

皆ブルブルと震え出してしまったが、このまま帰るわけにはいかなかった。いなくなった友達を探さなきゃ。

なぜか僕が先頭になり両端を2人が挟むように歩いていた。

いざとなったらどうするつもりだ?

逃げるか?


あれこれと考えていたら目の前から足音が聞こえてきた。ま、まさか霊か?

そんなわけないよね。霊は浮いてるはずだし。



ヒタヒタ。

それと同時に目の前が急に明るくなった。

「まぶし…。」

「お前ら〜。何してる?この時間は学校にいちゃダメじゃないか。何してるんだ?」

「先生、僕ら友だちを探してるんです。別行動してたら完全に逸れちゃったみたいで見当たらないんです。」

「何をやってるんだ。ったく。なんで俺の時にこいつら…っああ、もういい、さっさと探して帰るぞ!」

先生は少し怒っていたが、一緒に行動してくれるってわかってちょっとホッとしてる自分がいた。


「お前ら何人で学校に忍び込んだ?」

「あっと、…7人です。」「あいつも数入れないとまずいって。」「俺らがしたことバレるぞ!」「あそっかっ、たくもー!先生、8人です。俺らが8人で学校に来ました。」

「さっきは7人て言ってなかったか?」

「入れ忘れてました。全部で8人です。だから、ここにいる俺ら3人を除いて後5人です。」

「間違いないな?」

「はい。」

「にしてもなんでこんな時間に学校に来ることになった?何かしたのか?ん?」

2人は顔を引きつらせていた。僕は知らん顔をしていたが…。

黙ったままでいることが肯定と取られると思いもしなかった僕らはその場で先生に怒られた。

「お前らな〜。そんなつまらんことでそんなことするとな、あとで怖い目に合うかもしれんぞ?まっ、噂だけどな。」

「な、何でですか?何か先生知ってるんですか?教えてください!」

「噂だがな?これはよそのクラスの生徒から聞いた話だ。」そう言いながら話し始めた先生の話を聞いているうちに怖くなってきて皆顔が真っ青になっていた。


「だからな?そいつに見つかったらダメなんだったかな?その学校が噂だとここらしいんだが…。」そういう先生の顔色も悪い。

「先生も顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」

「あ、ああ、大丈夫だ。実はな、先生この手の話苦手なんだよ。実際に怖い目にあったこともあるしな。」

「えー!なら早く友達探して学校から出ないと。」

これだけの人数がいるのに怖がりばかりって…ダメじゃん。せめて先生だけでも…って思ってたのに!


僕はもうこうなったら一刻も早くと考えるようになった。アイツらが隠れそうな場所を考えた。

そして皆で話し合って一緒に行動することにした。1人で動いて何かあってからでは遅いからだ。まずは懐中電灯が落ちていた場所の近くの教室から探す事に。

大きな声は出せなかった。

霊を呼び寄せてしまいそうで怖かったからだ。

小さな声で固まって行動した。

すると部屋の隅で小さく固まって震えている友達を1人見つけた。

「おい!大丈夫か?あいつは?お前と一緒にいた奴はどうした?」

それを聞くと急に泣き出した。


「何かわからないけれど真っ黒な影が追いかけてきて、とっさに僕はここに隠れたけど友達は追っかけられてたから走って何処かに行っちゃったよ〜。」


「そ、そんな…。もう見つかったのか?大丈夫か?」先生は心配そうな顔をしていた。

「先生、あと4人見つけないといけないんです。怖がってたらダメじゃないですか。行こうよ。助けに。」

「ああ、そうだな。助けないとな。…にしても何処を探したら…でたらめに走ってたとしたら見つけるのも大変だぞ?」

「でも、アイツ、携帯持ってたよな?」

「あ、うん。確か持ってた。でも逃げてる時に電話に出るわけないじゃん。無理だって。」

「電話が無理ならメールは?それなら口に出して言う必要ないし、音消してたらバイブでわかるだろ?」

「成る程…その手があったか。早速メールしてみては?」

「今やってるところ。反応があるかはわからないけど、これに賭けるしかないから。」

皆がそいつに一斉にメールした。

どうだ?気付いたか?

気になるが、既読がつくわけではないからこちらからはわからない。ただ祈るだけだ。




時間だけが過ぎていく。

10分経った頃、僕の携帯にメールが入った。

差出人の名前を見ると友達の1人だった。

今は一年一組の教室の先生の机の下に隠れてるらしい。

僕等は四年一組のクラスの前だから階段から降りないといけない。皆固まってゾロゾロと降りていった。

一年のクラスまであと少しのところで何かの影らしきものを見た気がしたと友達が言い始め、怖がってこれ以上進もうとはしない。仕方がないから僕が一人で一年一組のクラスのドアを開けた。

パッと見た感じ誰もいなさそうだが、さっきのメールだと先生の机の下…だったよな。近づいていった。

そこにはもう1人の友達がいた。良かった。じゃあ、あと3人か…。

そいつを連れて教室を出た僕らは先生達と合流した。

皆ホッとしている。そこに2人が偶然にも現れた。

真っ青な顔は変わらなかった。何かあったのかもしれない。でも聞く気にはならなかった。


「あと1人だったな?その子とは連絡つかないか?さっきみたいにメールができれば捜索も早い。」

だがあいにくとその子の携帯の番号も知らないし、持っているかどうかも知らなかった。


「せ、先生!放送室行こ!そこから放送かけたらだめかな?」

「そしたらこっちがバレるぞ?」

「じゃあどうしたら?」

「携帯をうまく使えないかなぁ〜?マイクに立てかけさせておいてこっちの電話から話して流す…とか?」

「おお〜!お前頭いいじゃん。それやろうぜ!誘導するんだよ。俺らがいる場所かあるいは向かう場所に。そしたらすれ違う心配もないしさ。」

「まずは携帯を1つ放送室のマイクにくくりつけてこないといけないよな。」

「放送室は職員室の隣だから一階の端だ。急ごう。」

皆で固まって走った。

その間出くわさないかドキドキが止まらなかったが…。最後の子とも霊とも出くわすことなくたどり着いた僕等は放送室に入って携帯をマイクに近づけた。けどここにはヒモになりそうなものがなかった。

紐があるのは理科室だ。

しかしそこに行っている時間はない。先生は腰に巻いているベルトを外してマイクと携帯を何とかしばりつけることに成功する。


電源をオンにして皆でその場を離れる。

職員室に来た僕等は友達の携帯から置いてきた携帯に電話をかけた。

すぐにつながるが留守電に切り替わる。

【メッセージをどうぞ】の声の後に喋った。

先生が探してるって。

今この校舎は危ないって事を。

まずはそれだけしか録音できなかった。

だから次にまた電話をかける。

今度は目的場所を伝えた。

職員室に集合だと。


放送は聞こえてはいたが、雑音も多く聞き取りにくかった。それで気づいてくれればいいんだが…。

職員室だけは明かりがあかあかとついていた。

他の教室や廊下は真っ暗なのに。

こっそりと廊下を覗き込むが廊下には人が来る気配は感じられなかった。

まさか見つかって捕まったのか?

霊だから捕まえることはできないと思っていたのに。


諦めかけたその時ドアが開く音がして皆一斉にドアの方を向いた。そしてそこに現れたのは泣きながら顔をくしゃくしゃにして立っている男の子がいた。僕らがイタズラした子だ。


「せ、先生もいるの?もう大丈夫?イタズラしない?ボク、怖かったんだから〜。追っかけてくるし、体のあちこちがなんか黒かったし…。」

「おま、…見たのか?」

「あ、うん。見た。暗かったからはっきりとは見えなかったけど、アレは絶対血だよ。鉄臭い匂いがした気がしたんだ。何?アレ?。」

「おま、スゲーな!あいつに見つかって逃げられたなんて…意外と足はえーのか?」

「ん?早くはないよ。ボクトロいし…。だから先を読んで逃げるようにしてたんだ。そしたら意外と逃げられた。」

本人はトロイと言っているが、意外と本当は足は早いのかもしれない。

全員が集まってどうやって逃げるかを考えることに。

携帯を取りに戻りたかったが、危険は犯せない。

明日に取りに行けばいいやということになった。その時は先生が許可してくれるって言ってくれた。やったー!ラッキー!


まずは校舎から出るために窓に手をかけた。けどね?開かなかったんだ。

皆が各々辺りをキョロキョロと見ていたが、僕ら以外の姿はなかった。


「な、何で開かないんだ?もう一回試そうぜ!」

「あ、うん。」

すると今度はガラガラガラと開いた。

皆固まりながら恐る恐るドアの外を眺めると、そこにいた。真っ黒な何かが…。


「キャー!」

「ウワァー!」

などと悲鳴をあげながらドアを閉めようとするも動かない。

なんで?

その手が何かに掴まれた。

とてもひんやりしていた。

それが血で真っ赤に染まった手だと気づいたのは懐中電灯の光を当てていた友達だった。


「た、助けてくれ。み、みんな見てないで何とかしてくれよ!」


友達はみんな僕から遠ざかり始めていた。先生もだ。

ダメだ。自力で何とかしないと。

僕は手に力を入れ思いっきり振った。すると簡単に解けることができ、皆のもとに走った。

皆も走って教室から出て行く。僕はおいてかれまいと慌てて追っかける。


「まっ、待ってくれよ!置いてくな!僕を置いてくなよ!」


何とか追いついて校舎からも出ることができた僕等は先生と合流して学校を後にした。

先生、車できてたのにどうするつもりなんだろう…?ふと疑問がわいた。

そう言えば逃げる時カバンとか何も持ってなかったよな。

逃げる時に1人にならないように固まって走ったよ。そして人数確認をした。そしたらさ、先生の姿がなかったんだ。確かにさっきまで側を走ってたのに…。



全員で話し合い、学校に戻ろうとした時1人の友達が先生が倒れているのを発見した。

皆一斉に先生のもとに駆け寄ると先生を助けようとした。でも僕らではやれることは限られている。

すぐに救急車を呼んだ。

15分が長く感じた。

救急隊が降りてすぐに駆け寄ると応急処置を開始した。しかし、その時すでに先生は心肺停止状態だった。AEDが使われて呼吸が戻ると救急車に運ばれた。誰か乗ってく?と聞かれたから僕が乗ると言うと反対する子もおらず僕1人が救急車に乗って近くの病院に。

集中治療室へと運ばれ僕は1人待ち受け室にて待っていた。

その時見たんだ。

あの暗い影を。

気のせいと思いたい。

でもね?鳥肌が立って怖くなった僕は一旦その場を離れた。離れていたのは5分程度。でも病室内が慌ただしくなり、僕はただ突っ立っているだけだった。


どれくらい経っただろう…。

医者が僕の元へやってきた。

関係を聞かれたのだ。

だから僕は正直に学校の先生と生徒と答えた。

「そっか…。」

とだけ呟いて医者は歩いて行ってしまった。

僕は先生が寝かされているベットまで近づくと先生は真っ青な顔をしていた。まるで眠っているかのようだった。コレが【死】か。

そう思った。


しばらくするとおまわりさんもやってきて僕に色々聞いてきたが、僕はちゃんと答えられる状態じゃなかったらしく、後日改めてとなった。

もちろん一緒にいた友達全員もだ。



でもさ、信じられる?

黒い影が先生を連れてっちゃったって。






それから20年。

僕は未だに夜が怖い。

母校にも行ったことはない。

だって噂の学校だってバレたらどうなる?

怖いじゃないか。


今じゃ禁句となってしまっている。

噂…話題になってないといいんだけど。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ