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詩のようなものたち

酸の雨

作者: 暮 勇

 燕が一羽、頭上を低く飛んだ。

 あぁ雨が降るのだ、と私は思った。

 膚にじっとりとした、重たい空気が纏わりついた。

 やはり雨が降るのだ、と私は思った。

 鼻の奥を、湿った土の香りが抜けてゆく。

 きっと雨が降るのだ、と私は思った。

 これほどに感じる雨の気配に、傘も持たずに闊歩する。

 傘持ち道行く人々の目を、私は気にぜず歩いてゆく。

 雨よ、降るなら降りたまえ。

 惨めな私をその濁った雨で、溶かして無くしてみせるがいい。

 思えばなんと、相応しい光景だろうか。

 ぽつりと一滴の雨粒が、愚かな私の頬を濡らした。

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