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流浪の遊び人 *王道少年漫画風・お下劣ファンタジー*  作者: 紅山 槙
虚無の天使は遊び人と契らない愛を交わす(全13話)
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Ⅳ_憂色


「……はあ」


 俺の腕に三回目の傷をつけた後、シニガミが疲れたようなため息をつく。退屈が過ぎてきたようだ。


「やっぱ見捨てられたっぽいね。そりゃそうか。スロスを神様にしたいなんて思う奴いないし」


 誰のせいだ。


「俺のせい♪」


 ……くそ。腕が動けば、ぶん殴れるのに。


「あとちょっとで死ぬかな? 早く死にたい? まだ頑張れる? ん?」


 ……。


「みんな、スロスが野垂れ死んで欲しいって、思ってるのかもね? スロスを襲った怪魔の集団も実は刺客だったり? "怪魔憑き"で厄介者の神様候補を、合理的に、葬るためにさ?」


 ……。


「あは♪ まだ死にたくないって思ってるんだ? しぶといね。てか、俺がお前に殺意持てない理由、わかる?」


 ……。


「お前が死にたいって思わないから♪ それだけ。死にそうで死なないギリギリな目に合わせると、スロスは一番面白い顔をするよ♪」


 ……。


「逆に、死にたいって思ってみなよ? もっと楽しくなるから。俺が。ひゃひゃひゃひゃひゃ♪」


 ……。じゃあ、殺してみるか?


「投げやり♪ そんなんじゃつまんないよ。もっと絶望しなよ。救いを嘆きなよ。嫌というほど甘苦ぁ――――い地獄を、味あわせてあげるから♪」


 ……。


「けど、これは餓死ルートかな? 俺の勝ち? はははっ♪」


 ……。


「たくさんの人を愛して、たくさんの人を助けたのに。スロスにはだーれも、愛を返してくれない♪ 哀れで不憫な、可哀想なスロス♪」


……うるさい。


「いつもいつも、誰かを失う。もう傷つきたくないって、怯えてる。だから誰も信用できない。信頼もされない。裏切られて、ばっかりでさ……♪」


 ふと、シニガミは真剣な表情になり、大鎌を手に握って立ち上がった。誰かを見つけたらしい。視線が遠くに向いている。


「……スロス。そこにいるよね?」


 子供のような高い声。姿は見えないが想像はつく。空色の瞳。淡い青髪。清楚な白いワンピースを着た、少女姿の天使がそこにいる。


「遅くなってごめん。助けにきたよ」



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