Ⅹ_明朝
被告人は前に!
アイニーちゃんはとろんと眠りに落ちてしまい、服装を整えてこっそーり、元の眠るべき場所に戻しておいたが。
勘の鋭い奴め。
翌朝、アイニーちゃんの俺に対するもじもじした態度を見て、ラティロが昨晩の出来事を見破った。
「お嬢さん。ここには怪魔より恐ろしい存在がいると言いましたよね?」
「……はい」
「わたしのそばから離れないようにと言いましたよね?」
「……はい」
「おそらく、もう手遅れなわけですよね?」
「……」
アイニーちゃんは俯いて、無言を貫く。
ラティロが俺に振り向いた。
「おい、そこの色狂い。ちょっと面貸せ。お前の下半身に取り調べをしてやる」
「何の取り調べ!? 『吐け! お前がやったんだろ!』ってやつ!? きゃー触んないでぇー! ヘンタイっ! チカンっ!」
「変態痴漢は誰だ? 明白だろう。その汚い×××絞首刑にしてやるから来いっ!!」
「もう有罪確定!? いやあぁあ――――ん!」
「気持ち悪い悲鳴上げんじゃねェ」
マイフの呆れたような声を耳に掠め、俺はずるずるとラティロに引っ張られた。
まあ、一応合意の上だけどさ。町に行ってから訴えられる、なんてリスクはある。
でも、アイニーちゃんは昨日「こんなこと誰にも言えません……!」と恥ずかしそうにしてたから、とりあえずは大丈夫そうだ。
「下衆野郎」
ラティロはそう言ったが、反論はある。
「いや、もうヤっちゃったもんはしょうがないじゃん♪」
「……」
ラティロに生×××紐で締められた。
きっつ!
しかもめちゃくちゃ痛いんですけど!?
それを町中の衛生害虫を見るような目で見下ろされたけど、男に見られても俺にはご褒美じゃない。むしろ悪いこと思い出しちゃって、微妙に心のダメージが溜まる。
「というか、お前本当に男だよね? よく人にこんな残酷なことできるね? ヤリ××に嫉妬してんの? 俺のムスコさんに恨みがあるの?」
苦痛に呻きながらそう言った。
神域に断末魔がこだました。
刑は執行されました。
ラティロは紳士の割に、案外容赦ない人です。




