八日目
大学が終わった後、私はメイド服に身を包み、Cafe LuCkyにいた。
「ご注文は?」
私はオーダーをとる。
「食べ放題プランで。飲み物は、ミルクティーで」
私と同じくらいで、長い茶髪で美人の女の子が手をあげる。
「俺も」
彼氏らしき人物も同じように注文する。
「分かりました」
私は奥に引っ込む。
「ルベルさん、食べ放題プラン2つです。あと、ミルクティー」
私は注文を報告する。
「はい、ちょっと待ってくださいね」
そう言ってミルクティーを仕上げるルベル。
-早い。注文内容分かってたようだ。
「月美と睦月は、ミルクティーって決まってるんです」
ミルクティーを私に手渡すルベル。「よろしくお願いします」
私はミルクティーを手に店に戻る。
「ミルクティー、どうぞ」
月美と睦月の二人にミルクティーを置く私。
「ありがと」と月美。「ミートスパゲティ、2つお願い」
「アボカドのサラダも」と睦月。
「ミートスパゲティとアボカドのサラダですね」
私はメモする。
奥に戻ると、ミートスパゲティが出来上がっていた。
-ミートスパゲティが好きなのかな。
そう思いながら、
「ミートスパゲティとアボカドのサラダ2つ」
私は注文内容を読む。
「アボカドのサラダですね」
棚から、アボカドをおろし、丁寧に皮を剥くルベル。
私はその間にミートスパゲティを二人に持って行く。
「お待たせしました。ミートスパゲティです」私は丁寧に礼をする。「アボカドのサラダは少々お待ちください」
カラン。
扉のベルが来客を告げる。
「いらっしゃいませ」
私が顔を上げると、そこには、奈緒が立っていた。
「うわぁ、似合うよ、そのメイド服」
奈緒が目を輝かせて言った。
「あれ?店員さんの知り合い?」
と月美。
「同じ大学の作家サークル仲間で、同人書いてます」
私は答える。
「作家さんなんだ。見てみたいな」
と睦月。
「今度是非」
奈緒がにかっと笑って言う。
カラン。
また扉のベル。
「こんばんは~」
「やってる、蓮華」
百合子と洋が手を振った。
「二人ともいらっしゃいませ」
私が礼をする。
「蓮華さん」ルベルの声がするので、奥に引っ込む。
「出来上がったので、持って行ってください」
とルベルがアボカドのサラダを渡した。
「すみません」
私が頭を下げると、
「すみませんはいいですので」
ルベルさんは、忙しそうに、何か料理を作り出した。
店に出て、アボカドのサラダを月美と睦月の机に置く私。
「アボカドのサラダになります。他にご注文は?」
「じゃあ、プリンアラモード、お願いしようかな」
と月美が言う。
「もう、デザート?」と睦月。「俺は、ハンバーグとコロッケ」
「私も食べたいな。全部二つずつお願い」
月美がオーダーをまとめる。
「はい、ごゆっくり」
私は奥に引っ込む。
中では、ルベルがハンバーグを二つ焼いていた。
「ルベルさん、ハンバーグ注文って分かるんですか?」
私が吃驚して尋ねる。
「勘です、勘」とルベルさんが頭を指差す。「それより、コーヒーはいいですか?」
見ると机の上に奈緒と百合子と洋の定番ホットコーヒーが置いてあった。
「はい。あと、コロッケとプリンアラモードも二つ」
カラン。
扉が開く音がする。
「今日は忙しくなりますね」
ルベルは、ハンバーグを焼きながら、ソースを作り始めた。