七日目
私は、大学の後、ルベルの喫茶店にいた。
皆と待ち合わせているが、まだ洋と私しか来ていない。私達は、コーヒーだけ頼んで皆を待つ。私が頼むのは、食べ放題プランだ。
Cafe LuCkyには、飲み物と別に700円で、食べ放題プランがあるので、食費を減らすのに役立っている。
家賃3万円で光熱費水道代1万円、食費は、5万円、バイト代は、一ヶ月11万ぐらいなので、2万残る。1万は、ジャンの冒険に使って、1万は、英語の勉強に使う。この間、遊園地に使ってしまったので、今月は、ジャンの冒険に使えない。私はネットで、バイトを探し始める。
「喫茶店のバイトないかな」
と私は独りごつ。
CafeLuCkyが居心地がよく、喫茶店で働くのが楽しいと考えての事だ。
「ここで働きませんか?」
「え?」
私は驚いて聞き返す。
確かにルベルはそう言った。
「明日、7名お客様が来て急がしいので、働いてくれると嬉しいのですが」
とルベルは私を見る。
「よかったじゃん。ここで働きなよ」
と洋が太鼓判を押す。
「はい。明日大学の後なら、空いてます」私が喜んで返事をする。「是非働かしてください」
「一日1万円で」
とルベルが言うのに、吃驚して、
「そんなに高くていいんですか?」
私は尋ねる。
「えぇ」
ルベルが、微笑む。
カラン、と音がして、奈緒が入ってくる。
「いらっしゃいませ」
とルベルが挨拶した。
「疲れた。勉強して来たんだ」
と奈緒。
「ご注文は?」
ルベルが奈緒に尋ねる。
「私もコーヒーで」
「分かりました」
ルベルはそう言うと、奥に引っ込む。
「蓮華がCafe LuCkyで働く事になった」
と洋がさっそく報告した。
「えぇ」
奈緒がのけぞる。
カラン、とまた音がして、菫、百合子が入ってくる。
ルベルは奥に引っ込んだままいない。
「大学で会ったの」
と菫。
「コンビニの所で。ジャンの冒険の最新刊あったよ。私は書店で買いたいから、買わなかったけど。ポイント貯めてるから」
と百合子が言う。
「本当?」
私が立ち上がる。
「私はコンビニのカードがあるから、買ったの」
と菫が私に手渡す。「私にDVD貸してくれたから、お礼」
「ありがとう。読み終わったら、返すね」
私は喜んで読み出す。
「蓮華がCafe LuCkyで働く事になったんだ」
奈緒も報告する。
「そうなんだ。よかったね」
と菫。
「明日だけだけどね」
私が本から顔を上げて答える。
「明日なんだ。蓮華のウェイトレス姿楽しみだな」
奈緒が頭で手を組む。
「私は明日、バイトだから、見れないわ」
菫は残念そうに言う。
ルベルさんがコーヒーを持って戻って来た。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
とルベルが皆に尋ねる。
「私はアイスコーヒーと食べ放題プランで」
奈緒が手をあげる。
「私も」
と菫。
「皆食べ放題プランでいいよね」
と私。
「「賛成」」
洋と百合子が声を合わせた。