六日目
次の日、私が大学に着くと、生徒達で賑わっていた。教室に向かう。教室には、まだ誰も来ていなかった。私は教科書を開き、ジャンのオープニングをながす。この曲だけ、英語バージョンだ。一時間ほど経つと、双子の中区実花と実紅とが入って来た。二人ともそっくりで、長い茶髪をたらし、大きな目の美人だ。
「おはよう」
私が挨拶すると、
「「おはよう」」
と見事にハモって返って来た。
皆で吹き出す。
「早いね」
と実花。
「うん、今日は早く来ちゃった」
イヤホンを外す私。
「何聞いてるの?」と実紅。
「ジャンの冒険のオープニング。聴く?」
実紅が頷くので、イヤホンを渡す。
私が再生すると、実紅は、頷きながらリズムに乗る。
「いい感じじゃん」
そう言って私を見る。
「そうでしょ。貸そうか?」
「いいの?ありがとう。終わったら返すから」
私からiPodを受け取る実紅。
「私にも聞かせてよ」
と実花。
「うん。次にね」
私はというと、次のページの英語の単語を電子辞書でひいた。
その時、教室に集団で人が入ってきた。
「おはよう、蓮華」
樹山愛歌が挨拶する。
「おはよう、愛歌」
私が挨拶を返す。
河原李里、田山麻子、林森高美、蜆塚風全員と挨拶を交わす。
「ありがとう。充電切れちゃったみたいだよ」
と実花が、私にiPodを渡す。
「やばっ、充電忘れてた」
慌てて、バッテリーにiPodを繋げる。
皆席に着くと続々と外国語科の面々が教室に入ってくる。
その度に挨拶を交わす私達。
9時になると、リチャード先生が入ってきた。
「Good morning,everyone」
「Good morning,Mr.Rainbow」
皆で挨拶をする。
こうして、授業が始まった。
リチャード先生は、アメリカ人で、背が高く、青目をした金髪のハンサムだ。まだ若いが、日本人の奥さんと3歳の娘さんがいるらしい。自己紹介の時に教えてくれた。写真を見せてもらうと、奥さんは、顔が小さくて美人で、娘さんはお父さん似の美少女だった。
今日の授業は、英会話だった。
組になって、教科書を手に会話する私達。
最後にリスニングをやって、1時限目は、お開きとなった。
授業終了のベルが鳴って、2時限目の教室に向かう私。私は中国語を専攻している。愛歌と風もそうだ。
中国人の李蘭先生が担当だ。李蘭先生の授業は楽しい。まず、発音の勉強から始まって、物語になっている教科書を読むCDを聴く。あっという間に授業が終わってしまった。
お昼ご飯の時間だ。私は愛歌と風と学食で食べる。愛歌と風は、ナポリタンとドリア。私はケチって、一番安いおにぎり定食を買った。味は美味しかった。
午後は、オーラルコミニケーションと世界史だ。
オーラルコミニケーションは、里郷和先生。世界史は、多岩田晋助先生だ。
両方面白かった。
授業が終わり、伸びをする私。
帰りはルベルの所に寄ろう。
そう決めて、大学を後にする私なのであった。