四日目
アルバイトは、試験監督だった。場所は、2時間離れた他の大学の構内。科目は、英語だ。
3時間でテストが終わった。
「終わったぁ」
アルバイトが、終わると、緊張が、ほぐれた。
「そういえば、ルベルさん達どうしてるかな」
家に帰る途中、ふと私は一人言を言う。
-奈緒と百合子は行ったんだったな。
私は、ジャンの冒険のサウンドトラックを聴いている。音程がいい感じだ。
-帰りに寄ってみるか。
そう思い、二時間かけて、Cafe LuCkyに寄る私。
カランカランと音がして、「いらっしゃいませ」というルベルの声に迎えられた。
「あれ、皆来てる」
その通りだった。奈緒と百合子だけでなく、洋も菫もいた。
「仕事終わったから、来ちゃった」と洋が言った。
「私も」と菫。
「昨日は私も参加させてくれて、ありがとうございました」と言うルベル。「よければ、今日泊まっていきません?」
皆は、顔を見合わせて、
「はい、喜んで!」と私が代表して言った。
それから。
「あ、お母さん、あのね…」
「今日、ルベルさんの所に泊まることになったの。ルベルさんって、あの喫茶店の」
「そう。だから、夕飯いらない。ありがとう」
百合子と奈緒と洋は、親子さんの許可を得て、泊まることになった。
ルベルの家は民宿を兼ねているらしく、部屋は、9つあった。
夕飯は、肉のポトフ、野菜の含め煮、カッテージチーズゼリーだった。
ポトフも野菜も味が染みてて、カッテージチーズゼリーもとても美味しかった。
「ごちそうさまでした!」
私達は満腹になったと、同時に眠くなってきた。
「おやすみなさい。…明日は特別な日ですよ」
とルベルが言った。
「特別な日?」
私が聞き返すと、
「明日起きてみれば分かります」
とルベルが片目をつむった。
皆眠たげだ。連休遊び疲れたのかな。
私達は、それぞれ部屋に入った。
ベッドに横たわると、その日、私は夢を見た。
『今日は特別な日です』ルベルの言葉。
それは、ラーノットと呼ばれる女騎士に会って、勇者になってラーノットの国を救う夢。
「どうもありがとう」
ラーノットの言葉を聞いて目が覚めた。
起きた時には、部屋にいて、ベッドの中で、寝汗をかいていた。
怖かったもんな、悪魔と戦うの。
時刻は、12時。
また、会えるかな、ラーノットと。
会える気がする、それも近い未来に。
私は寝返りをうった。
夢の中の事は、本当によく覚えている。
ラーノット、ルミナリー、アルヴァ、キルティ。
眠ったら、また会えそう。
そう思って、私はもう一度眠りについた。