二日目
遊園地は、できたてほやほやで、千葉県にある、スペシャルワールドだ。ジェットコースターは、必見で、3つある。どれも怖くて有名だ。他にもカーチェイス、観覧車、謎解きアドベンチャー、動物と触れ合う所などがあり、天候が良ければ、パレードがある。レストランもオススメだ。アニメが再現されている。アニメに出てきた食事があり、オススメは、ハンバーグセット。と、まあ、ガイドブックに載っていた事を並べたが、私、蓮華は、初めてスペシャルワールドに行く。ルベルさんにも聞いてみたので、他の6人もそうだ。
着いてみると、駅からアニメの音楽が流れている。橋にはアニメをモチーフに作られている。
私は、そのアニメが大好きだ。子供向けで、私が誕生する前からやっている。小さい頃から見ていて、今年30周年になる。そのアニメは、ある男の子が友人と冒険する物語で、見ると、ハラハラドキドキする。
今も完結していないので、15才だった男の子の年齢をこしてしまった。スペシャルワールドにはたくさん人が並んでいた。
「楽しみだね」と中田洋が言った。
「そうだね」
山田奈緒が片方外したイヤホンを両方外した。
「何聞いてたの?」
と伊佐木菫。
「もち、ジャンの冒険のオープニング。聞く?」
と奈緒が菫にイヤホンを渡す。
イヤホンを受け取り、片方の耳に入れる菫。
「面白いね」
一曲聞いて菫が感想を答える。
「私、ジャンの冒険を知らないの。アニメではなく、料理番組にしか興味がなくて」
「それは、遊園地に来られて良かった」
私はゲームまでコンプリートしていた口なので、原作漫画とアニメのDVDを菫に貸そう、と思った。
開演時間になって、遊園地の中に入るのだ。
遊園地が開いて、人が中に入る。
「急がないでください!」
と係の人が大きな声で言う。
まず、私達が行ったのは、ジェットコースター。ジャンの友達のトムを救う物語だ。
順番待ちをしている間、空井百合子と中田洋は、ゲームをし、奈緒と菫は、片方ずつ、イヤホンをし、残った私とルベルは世間話をすることになった。
「私、小さい頃から好きだったんです、ジャンの冒険。私が4才の時に始まって」
「そうだったんですか」
という事は、ルベルさんは、34才だ。青い目に金髪の彼女は、20才にしか見えない。他にも彼女の趣味や好きな食べ物の事を話していると、いよいよ順番が回ってきた。
コースターに座る私達。
セーフティーバーが下りる。
「いってらっしゃい」
係の人が言うと、コースターが動き出した。
ジャンの友達のトムが、捕まってしまって、ジャンが救出に行く。途中、いばらの道を通り、ヘトヘトになるジャン。トロッコに乗ったら、急激に落ちていく。
「きゃー」
叫び声を上げる私。
落ちた所は、海だった。
トロッコから、脱出して、ジャンは、泳ぐ。
途中、救出されるが、助けたのは、なんと海賊。
仲間にならないと、命がないと言われ、一時的に仲間になるジャン。
だが、船が大波にさらわれて、落ちていく。
今度は、あまり怖くなかったので、冷静に百合子が叫んでいるな、なんて思っていた。
海賊船は、ある島に無事に着いた。
そこは、トムが捕まえられている島だった。
トムを捕まえた犯人と戦うジャン。
「そこだ。がんばれー」
と奈緒。
危うく刺されそうになりながらも、最後にはジャンは、手に打撃をし、犯人が刀を落とした所を取り押さえた。
主人をやられて、海賊達に脅かされて、逃げるトムを捕まえた集団。ジャンとトムは、再会できて、抱擁した。
ハッピーエンドだと思ったら、また落ちる。
百合子が叫んでるのが聞こえる。
落ちた所は、ベッドの上。
全部夢かと思ったら、トムと海賊が介抱しに来たので、夢ではないと知るジャン。
海賊が、ジャンが、住んでいる街まで連れて行ってくれて、また、会おうな、と言って、ハッピーエンドになった。
「楽しかったね」
一番叫んでいた百合子が言った。
「そうだね」
コースターから降りて、私が言った。