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十七日目

そして、その日は訪れた。

授業後、私達は、教室で二人に会った。

「はじめまして。花山一郎です。菫さんとお付き合いをする事になりました」

かっこいい。私は思わず見とれてしまった。童顔で、黒い髪に大きな目。爽やかな立ち振る舞い。これが、菫の彼氏か。さすが、菫が好きになっただけある。

「あの…僕の顔に何かついてます?」

「いえ」私は我に返る。「大親友の海堂蓮華です」

「そうですか。菫さんの大親友なら、友達になって欲しいです。よろしくお願いします」

頭を軽く下げる花山。

「私、中田洋」

「うち、山田奈緒」

「空井百合子です」

順々に挨拶していく。

「菫のどこが気にいったんですか?」

さあ、どう答える。

「全てです」

彼は菫の方を見る。

「優しくて、賢い所も、美人なのに、謙虚な所も、天然な所も好きです。あ、あと、僕と同じパティシエ目指してるので、将来一緒に働きたいな、と思って」花山は、面映ゆげに笑った。

パーフェクト。この人、菫のいい所、言い当てた。分かったよ、認めてやりますよ。

「私達、一緒に同人誌書くんです」

報告してみる。

「え、菫さん、同人誌書いてるの?」

花山が菫と見つめ合う。

「えぇ、まあ」

「じゃあ、今度見せてください。どんな話書くんだろう」

花山は、ワクワクした顔でそう言った。

菫が書く文学は、短編物だ。今度は、ジャンの冒険の事を皆で書く。

「試験が終わったら、見せるね」

菫が恥ずかしそうに言った。

花山が時計を見た。

「すみません。僕、これから友達と勉強するので。じゃあ、菫さん、また明日」

ウインクして立ち去る花山。

真っ赤になる菫。

「かっこよかったね」

感想を言う百合子。

「じゃあ、Cafe LuCky行こうか」

奈緒が言った。

そして、私達は、Cafe LuCkyに出向いた。

「いらっしゃいませ」

扉を開けると、ルベルが出迎えてくれた。

「メニューは、何にしますか?」

「とりあえず、コーヒーお願いします」

と洋。

「はい」

ルベルは、一人一人のコーヒーを作りに行った。

私達は、勉強道具を広げ始める。

「最近、食べ過ぎてたから、ダイエットしようかな。飲み物だけ頼もう」

食べ放題プランばかり食べていて、体重とウエストがヤバい。

「じゃあ、私も」

「うちも」

「あたしも」

「私も」

「でも、飲み過ぎると、水毒になるから、コーヒー3杯、野菜ジュースを2杯までね」

的確に忠告する菫。

「「「「「はーい」」」」」

私達は、菫の忠告に声を合わせた。

「蓮華、このtime and againの意味分かる?」

洋が聞いてくる。

「何度も何度も、だよ」

私は答える。

「さすが、蓮華」

洋は、喜んだように、教科書を繰る。

「yet againは?」

奈緒が問う。

「またしても」

熟語勉強しておいてよかった。

私は、嬉しくなって、勉強がはかどった。



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