十三日目
「眠い」
私は授業後、そう独話してしまった。
10時間は、さすがにきつい。
「え、試験が近いから、最近寝てないの?」
哀歌が心配そうに私の顔を覗き込む。
「いや、睡眠時間は、とってるんだけどね」
私は微笑する。
「顔にくまが出来てるよ。英語の勉強するのは、仕方ないけど、いつもより、多めに睡眠時間とらないと」
実紅が述べる。
「そうそう。いくら、試験前だからって、睡眠時間、7時間はきついよ」と実花。
「何でそんな事知ってるの?」
私はガタッと席を立つ。
周りがなんだ、なんだと私の方を見る。
私は赤面して、席に座り直す。
そして、小声で実花に、
「何で知ってるの?」
とまた問いただす。
「さっき、寝言で言ってたよ。大丈夫、教科書にメモしておいたから、教科書貸すよ」
実花は、胸を張って教科書を私に渡す。
「ありがとさん」
私は両手で、受け取る。
「8時間半ぐらいは寝た方がいいよ」
と哀歌。
「うん、分かった。教科書、明日には返すね」
帰り支度をし、皆に別れを告げる。
「じゃあね」
6重奏で返された。
皆と別れた後、私はCafe LuCkyへと行く。今日も料理しないで、ルベルの手料理を食べるのだ。栄養科の菫は、時々自炊するらしく、コーヒーだけで帰る時があるが。
部屋の掃除もしてないし、テストが終わったら、掃除しなくては。
Cafe LuCkyに到着した。
扉を開けると、いつものようにベルの音がしなかった。
「ベルがない」
「古くなったから、取ってしまいました」
ルベルが奥から出て来た。
「そうなんですか」
「ベルは、いらないかなと」
ルベルがホットコーヒーがいいですか、と聞いた。
「はい」
と頷くと、ルベルがコーヒーを作りに行った。
コーヒーはすぐ出来上がった。
私はコーヒーを啜った。
ミルクコーヒー。ミルクの味とコーヒーの苦味がいい味出してる。ちなみに、私はブラックは飲めない。奈緒はブラックコーヒーを頼んでいるが。私も一度飲んだ事があるが、もう辞退した。
私がコーヒーを飲んでいると、扉が開いた。
「こんばんは。蓮華来てる」
奈緒がやってきた。
「どう勉強してる?」
「してるんだけど、もうヘトヘトで」
私がリタイヤと手を伸ばす。
「私もたくさん勉強したから、今日から、8時間にするんだ。ルベルさん、食べ放題プランでお願いします」
奈緒は、ニコニコする。
「私も食べ放題プランで」
慌てて私も言う。
「はい。食べ放題プラン2つ」
「何を食べようかな、やっぱ、ピザかな」
奈緒は、メニューを繰る。
「奈緒が来てくれてよかったよ」
私も8時間にしよう。私は、そう決めた。
「そう?」
奈緒は、メニューを閉じて私に渡した。
「私もピザにしよう」
「たまには、いいよね、ピザでも」
「うん」
私はコクンとした。
ルベルが奈緒にコーヒーを持ってきた。
「ピザ2個で」
奈緒がルベルに頼む。
「ピザ2個ですね。ご注文承りました」
ルベルが奥に作りに行った。