十一日目
「暑い…」
私、蓮華は、溜息をつく。
今日は、37℃をまわっている。
お日様は、ジリジリして、半袖の手にあたる。
「日傘持ってくればよかった」
-せめて、日焼け止めクリーム塗ってくれば…
私は後悔する。
お昼休み、私は一人でコンビニに向かっていた。田山麻子にお昼に誘われたが、今日は英語の勉強のため、断った。コンビニに入ると、冷やっとした。やはり、クーラーはいい。コンビニの中は、長蛇の列だった。制汗スプレーと日焼け止めクリームを手に取ると、列に並ぶ。
私の番が来たので、ポイントで買う。大学の構内にあるので、なんだかんだで買うのが多いからだ。
-ポイントが無くなったから、またDVD借りよう。英語の試験が終わったら、アニメ見放題だ。
私はトイレに入って、日焼け止めクリームを塗る。
トイレから出ると、アニメを見るべく、テストで優を取るために、空き教室に急いだ。
-さっさと食べて、勉強しよう。
今日のお昼ご飯もおにぎりだ。卵のふりかけバージョン。それに、ビタミンCのドリンク。10分で食べて、ジュースを飲む。
今日のテキストは、凖1級の物だ。
-ちょっと遅いかもしれないけど。
高校時代は、外国語科で、英語漬けの日々を送ってきたので、英検など受けなかったのだ。代わりにTOEICは受けた。結果は、悲惨だったが。
-毎日、宿題やってたんだけどな。
1回だけ100点を取った事がある。お母さんに手伝ってもらって、単語を覚えた。
-そういえば、お母さん達、どうしているだろう。
毎日LINEは来るけど、電話をしていない。元気なのだろうか。
-また暇になったら、Cafe LuCkyに呼ぼう。
あんなに美味しい料理をおごったら、安心してくれるだろう。
大学に入って、また新しい友達が出来たし。
私は、単語を5回ずつ綴る。
しばらくして、時計を見ると、始業3分前。
「やばっ」
次の授業が始まってしまう。確か林田芳佳先生の授業だ。教室の表を見ると、偶然にも隣の教室だ。
-隣の教室でよかった。
バッグを手に、隣の教室に入った。
「蓮華、ここ」
哀歌が自分の隣を指差す。
私は哀歌の隣に座る。
私が席につくと、林田先生が来た。背の高い茶髪の男の先生だ。
「さあ、授業始めます。教科書15ページを開いて」
林田先生が、すぐに授業を開始する。
こうして、授業が始まった。
授業内容は、文法だ。
私は文法が苦手だ。
先生の言う事を必死に教科書にメモする。
「…であるからして。おっと、もうそろそろ授業が終わりますね。残りは、宿題にします。レポート書いて来てください」
林田先生は、そう言うと、教科書を閉じた。
「終わった、終わった」
河原李里が息をつく。
「今日、午後空いてる?」
「喫茶店で勉強するんだ。一緒に勉強する?」
私は尋ねる。
「うん。勉強していいなら」と李里。
「「私も行っていい?」」と中区双子。
「私も行く」と言う哀歌。
「もちろん、私達も」と麻子が高美と風を指差す。
「うん。たくさん来たらルベルさん喜ぶよ」
そういう訳で、多所帯で、Cafe LuCkyへと向かうのであった。