十日目
-この間は、忙しかったな。
土日をはさんだ月曜日。休みは、家でずっと勉強をしていた。
この間は、Cafe LuCkyで働いて、そのまま、寝てしまったのだ。今日も大学の帰りに行こう。
そう決めて、私は目覚める。
私の借りているアパート1Kになっていて、一室は、ジャンの冒険仕様だ。そう、部屋中、ジャンの冒険だ。
私は今日も早く起きて少し、英語の勉強をしてから、大学に行く。宿題は、昨日やっておいた。
ジリリリ。
目指し時計が時間を告げる。6時だ。朝ごはんは、混ぜ込みご飯に、鉄分葉酸ヨーグルト。混ぜ込みご飯は、白米に混ぜ込みパックを混ぜるだけでできる物を買った。金欠なので、お昼は、混ぜご飯をおにぎりにしたもの。おにぎりをラップし、アルミホイルをし、風呂敷で包む。大学に行く準備をし、ipodにTOEIC対策の英語学習があるので、それをながし、耳に装着する。鍵をしっかり閉めて大学に向かった。
朝の気配がする。まだ涼しい。私は大学の構内に入ると、百合子に会った。
「ヤッホー、百合子」
ipodを外して、私は言った。
「やあ、蓮華くん、勉強かい?」
ジャンの真似をして言う百合子。
私が吹き出すと、百合子も笑った。
「私も勉強なんだ。試験が近くて」
「私も。中間試験で英語いい点とらないと」
思えば、大学に入ってから、初めての試験だ。
「じゃあね」
「うん、またね」
私は手を振ると、教室へと急いだ。教室には、田山麻子が勉強していた。
「おはよう」
そう言って、麻子の隣に座る。麻子も顔を上げて、おはようと言った。
今、7時。9時から17時迄学校で、それから、Cafe LuCkyでまた勉強をする事にしよう。22時には、寝て朝また5時に起きよう。試験が終わるまで、ジャンの冒険とはお別れだ。
私が英単語帳を開いた時に、林森高美が入ってきた。林森高美は、長身だ。本人は、男物の服が好きで、しかもよく似合う。今日も大きめの白いTシャツにジーンズだ。
「こんにちは」
と高美が言った。「私も勉強しようかな」
「うん。隣空いてるよ」
私は左を差す。
隣に座る高美。教科書を取り出し、宿題である訳をやりだす。
「宿題終わってなかったの?締め切り今日までだよ」
私が心配して言う。
「全然。絶対終わらしてみせるよ」
そう言う彼女の英語訳は、綺麗だ。
8時になると、中区実花と実紅が入ってきた。挨拶をかわし、勉強に専念する。隣を見ると、高美が半分訳を終えた所だった。物凄いスピードだ。辞書引いてないんじゃないか?と私は尊敬する。
ガラ。
大きな音がして、河原李里が現れる。
「実花、実紅どうして待っていてくれなかったの?」
李里は、怒って言う。
「待ち合わせ時間に来なかったから、先に行ってもいいかなって」と実花。
「LINEにメールしたでしょう、電車点検で遅れると。それに、2分しか遅れてない」と李里が実花の隣に座る。
「LINEが壊れてて。先に行ったかもしれないと思って来ちゃった」と実紅。
「そんな事情じゃいいけど」
李里が教科書を開く。
実花と実紅とは、李里は、幼馴染だ。仲直りして良かった。
蜆塚風が、皆を引き連れて入ってくる。
時刻は、8時58分。
「終わったぁ」
高美が、私に向かって手を上げる。
「おめでとう」
私はハイタッチする。
9時になり、山上穂之実先生が来た。
「さあ、授業始めましょうか」
先生の号令の元、授業が始まった。