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勇者パーティをお払い箱になった霊装騎士は、自由気ままにのんびり(?)生きる  作者: 銀翼のぞみ
二章

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43話 新装備と奴隷シスターの誘惑

「どうでしょうか、ご主人様?」

「うん。すごく綺麗だよ、アリシア……」


 新装備に着替えたアリシアの姿を見て、レムが感嘆の息を漏らす。


 武具店ガルガンズを訪れた数日後――

 三人は改めてガルガンズに訪れ、頼んでおいた新たな装備の試着を始めていた。


 まずはアリシア――彼女は今まで革製の軽装備を着ていたが、今回はさらに装備の面積を減らすことになった。

彼女の新装備……それは俗に〝ビキニアーマー〟と呼ばれる類のものであった。


 先のゴブリンキング討伐のクエストに同行したペニーとマリエルも着用していたものだが、アリシアのそれは、より際どい造形となっていた。


 彼女の圧倒的なメロンも相まって、見た目の破壊力は抜群だ。だが、その姿から受ける印象は妖艶さよりも、美しさだ。


 素材はレムの所望したオリハルコン合金製だ。


 オリハルコン合金で出来たビキニアーマーの色は幻想的な蒼銀色をしていて、アリシアの艶かしい褐色の肌やシルバーブロンドとマッチし、美しい容姿をより引き立てる。


 その姿……例えるなら、神話に登場する戦乙女(ワルキューレ)のようだ。


 以前の装備と同様に、若干防御面に不安が残る……と思いきや、そうはならない。

 アリシアは魔制具であるガントレットも新調した。


 色は蒼銀……だがビキニアーマーよりも銀の色が濃い。

 こちらは鉄とオリハルコンとともに〝マナダイト〟を合金した魔制具となっている。


 マナダイトとは、マナ……種類によってはスキルを〝ストック〟することができるこれまた稀少な金属だ。


 あらかじめマナダイト製の武具にマナ・スキルをストックしておき、自身のマナが尽きたらストック分を使う。

 あるいは他のスキルを使用しながらストックしておいたスキルを使用する……なんて芸当が可能になるのだ。


 合金製の為、純粋なマナダイトの武具よりもストック量は落ちるが、それでも戦力の大きな足しになる。


 マナダイトの武具からスキルを発動する際は、スキル名の詠唱は必要ない。

 これであれば、たとえアリシアの懐に敵が踏み込んできても、速攻でスキルを発動して対処することが可能だ。


 アリシアのスキルと一緒に、レムの《霊剛鬼剣》か、あるいはアリシアの《ランクアップ・マジック》で強化した《ハイスケルトンガードナー》をストックしておくのもアリかもしれない。

 スキルをストックしておけば、モノによっては他者のスキルも使用可能なのだ。


「それで、シスターは本当にその格好でいいの……?」

「もちろんよ、レムくん。前のより動きやすいし防御もできる、私にはこれがピッタリだわ」


 アリシアのビキニアーマー姿に見惚れること少し、レムは、今度はアンリへと言葉をかける。


 アンリもまた装備を新調していた……のだが、相変わらず彼女は修道服を着ていた。

 だが、機能面は前よりも格段に向上した。


 前のモノがただの修道服であったのに対し、今回アンリが新調したモノは、ガルガンの鍛冶スキルで、オリハルコン合金を服の繊維の中に混ぜ込んだモノになる。

 これにより、鉄の刃すら通さない頑丈な修道服となったのだ。


 それに加え、修道服のスカート丈をかなり詰めた。

 戦闘中、特に迷宮内では動きやすさが重視される。

 ミニスカの奴隷シスターなど街中ではかなり目立ってしまうだろうが、アンリ自身、修道服以外に袖を通すつもりがないので、致し方あるまい。


 レムはアンリにもオリハルコン・マナダイト合金のガントレットと、オリハルコン合金のレギンスを買い与えた。

 これで攻撃面・防御面においても格段に強化されることだろう。


(シスターのミニスカート姿なんて、初めて見るな……)


 アンリの修道服の丈は、動きやすさを重視してかなりタイトだ。

 孤児院で暮らしてきた中でも、レムはアンリの修道服以外の服装は寝巻きしか見たことがない。

 育ての親であり、初恋の相手である女性の刺激的な姿に、レムは自然とドキドキしてしまう。


(あ……っ、レムくん、私の脚を見てる……それに顔も赤くて可愛い……♡)


 アンリはそのことに気づいた。

 そんな彼女の後ろに回り込み、アリシアが耳元でそっと囁く……。


「アンリ、そこの椅子に座りなさい。そして脚を組んだりして、ご主人様を虜にするのです♡」


 ……と――


「……っ! わ、わかったわ、アリシアさん」


 アンリを女として、レムに自覚させる絶好のチャンス。

 レムにハーレムを築いてほしいと願うアリシアは、この好機を見逃さなかったのだ。

 そしてその言葉に、アンリも静かに頷き従う。


 十二歳の少年を、年上の美少女と美女が誘惑しようなど、もはや犯罪めいているが、レムを想う二人にそんなことは関係ないのだった。


「よいしょっ」


 アンリが近くにあった椅子の上に座る。

 向きはレムの目の前だ。


 レムの視線はいまだにアンリの脚へと釘付けになっている。

 アリシアと大人の階段を上がったレムであっても、まだまだ好きな女性からの誘惑には抗うことが難しいようだ。


(やん……っ、レムくんってば、やっぱり私の脚を見てる……なんだかイケナイ気分になってきちゃった)


 レムの視線を感じ、アンリは昂ぶってきてしまったらしい。

 内股になり、左右の太ももをこすり合わせている。


(ふふっ……でもこれで終わりじゃないのよ、レムくん……!)


 興奮を覚えつつも、アンリは次の段階に移る。

 徐に片方の脚を上げ、そのままもう片方の足に乗せて両脚を組む。


「…………ッ!」


 静かに、しかし大きく、レムが息を漏らす。

 脚を組んだことで、アンリのスカート丈が上に上がり、スカートの中が今にも見えそうなのだ。


 レムの頬がさらに赤く染まり、視線をチラチラと彷徨わせる。

 さすがに見ているのが恥ずかしくなってきてしまったらしい。


(や、やだ……っ、レムくんってば、なんて可愛い仕草なの……! お腹の下がキュンキュンしちゃうっっ♡)


 恥じらうレムの仕草に、アンリの興奮度もこれでもかと昂ぶってきた。


 そんな二人の姿を、アリシアは「ふふっ……♡」と微笑し、静かに見守っている。


(もう少し、大胆になっちゃおう……)


 心の中で呟いて、アンリはさらに次の行動へと移ることにする。


「あれ? おかしいな……レギンスが脱げないわ……。レムくん、脱がすのを手伝ってくれない?」

「ふぇ……?」


 アンリがレギンスを脱ごうと四苦八苦……するフリをして、レムへと言葉をかける。

 アンリの太ももに見惚れていたレムは、突然の言葉に間抜けな声を漏らす。


「レギンスが脱げないの。レムくん、ここにしゃがんで引っ張って……?」

「え……で、でも……」

「お願い♡」


 しゃがんだりしたらスカートの中が……。

 そんなことを想像し、戸惑うレムに、アンリが甘い声でおねだりする。


 レムはトロンとした表情で、アンリの足元に静かにしゃがみこむ。

 初恋の女性の甘い声色でのおねだり……十二歳のレムに抗う術はなかった。


 レムがしゃがんだ瞬間、これみがよしにアンリが脚を組み替える。


「……っ!」


 レムが再び息を漏らす。


 当然だ。

 アンリが脚を組み替えた瞬間に、純白のレースの下着が見えてしまったのだから。


「ねぇ、レムくん……もっと見たい……?」

「……!? シ、シスター、何を……!?」

「私のショーツ……レムくんが見たいなら、もっと近くで見せてあげるよ?」


 突然の提案、それにスカートの中を見てしまったことに気づかれたことに、大きく動揺するレム。

 そんな彼のことなどお構いなしに、アンリは続ける。


「ほら、もっと顔を近づけて……? その方が見やすいよ……♡」


 そう言って、再び脚を組み替える。


 奴隷シスターの誘惑に、レムは……。

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