第0話 異世界転移(?)
俺の名前は、間宮切人、岡平中学校の二年三組に居る、一生徒だ。
「そんな俺は、龍の末裔で...」
「何言ってるんだい!さっさも学校に行きな!」
「ごめんなさい!行ってきます!」
いや、中学二年の最初の時につい口走ってしまった、この中二病設定のせいで、周りからはとても痛い子をみるような目で見られている。
いや、それのお陰で案外友達が出来たってのもあるから、一様に嫌だとは言えないんだが、女子との青春はもう諦めた方が良いだろう。
二年三組の教室に入る。何時もはギリギリなのだが今日は珍しく早目に来た。
「お?龍の末裔じゃん!」
「お、龍の末裔【龍人】の切人じゃん!魔法見せてくれよ!」
まるで苛めのようだが、俺も余り気にしてないので、多分苛めでは無いと思う。
ちなみに、上が俺の小学校からの友人の、松宮緋色で、下が、幼稚園とか家の近い、幼馴染の、熊井遥斗だ。
「うるさいぞ雑種!雑種は雑種らしく跪いておれば良いのだ!...」
「「「ははは!」」」
まぁ、中二病を良い具合に使えたのは、俺のファインプレーだと思う。
担任が入ってくる。
担任の名前は立岩哲夫、おじさんって言葉が良く似合う感じの大人だ。
「おらぁ、さっさと座れぇ」
声を聞き、皆が座る。中々担任との距離感は、このクラスは良いと思う。
「はい、じゃあ今日の予定を......」
そのまま、俺のありきたりな日常が過ぎていく。
ある日の帰宅中。
俺は、バスケ部なのだが、今日は偶然休みで部活が無かった。誰かと帰ろうと思ったのだが、結局皆部活で一人で帰る事になった。
一人で歩いている。すると、足下が光っているではないか!中二病の事もあってか、ラノベに嵌まっていたため、これが何なのかすぐ分かった。
「異世界転移だ!」
そのまま光に視界が覆われ、少しの間気絶する。
目が覚めると、そこは
『グワァァァァァァ!?』
「勇者の召喚成功です!今のうちに魔王を!」
「「「「応!」」」」
え?もうすでに、魔王と決戦ですか?
『この!小癪な人間どもがぁぁぁぁ!?我が死のうが、第2だ グワァァァァァァ!?』
「魔石の破壊完了!魔王、死亡確認!」
「我々の勝利です!」
「「「「イェェェェェェェェイ!」」」」
え?え?え?
俺の召喚をした、姫が俺に説明してくれた。
この世界は、何回も魔王に襲われており、その度に勇者を召喚していたのだが、途中であることに気付いたのだ。
「あれ?これって、勇者が戦わなくても、勇者が居れば魔王弱体化するんじゃね?」
その仮説は合っており、俺のように、対魔王戦の時に勇者を呼び出して、後は鍛えた、こちらの世界の人達で倒すと言った、方法でやれば、変に勇者の気を使わなくて良いし、すぐ終わる。と言った事もあってか、その方法が良く使われる様になったとか。
しかも、別に帰れなくなるとかも無く、勇者は直ぐに帰れる様だ。しかも、召喚時に貰った、祝福も一緒に。
ちなみに、この世界では、ステータスとかがあり、スキルやアビリティのみで、身体能力とかのステータスは見れないようだ。
ちなみに、俺のステータスは、
間宮切人 年齢14歳
総合評価:S 運動適正:◎ 魔法適正:◎
勉強適正:◎ 成長速度:EX
スキル
・世界観察本 ・千里眼 ・探索欄
アビリティ
・成長性◎ ・全適正 ・限界突破
となっていて、これを見た姫は、
「凄いです!初代勇者様に匹敵してますよ!これ!」
と、称賛していた。
スキルの説明だが、全部以前にあったスキルらしく、詳細を教えてくれた。
まず、世界観察本だが、自分の知りたい事が全部乗ってる本が、手に出てくると言うスキルらしい。名前がちょっと、神話的な恐怖を感じるが、まぁ大丈夫だろう。
次の千里眼だが、スキルを発動すると、相手のステータスから秘密までが、一時的に分かるようになる、という能力らしい。秘密まで見れちゃうのは...まぁ大丈夫でしょう。
スキル最後の探索欄だが、これは、ライトノベルゲームの会話欄や、自分の現状ステータスを見れるらしい。後、周りからの総合評価や、物の鑑定等と、色々出来る便利な奴だ。
上の全部は自分にしか見えないらしく、周りを気にする必要が無いっぽい。やったね。
アビリティだが、全部名前の通りで、成長性◎は、成長速度が上がり。全適正は、ある程度は全部出来る様になる、で。限界突破は、苦手な事すら無くなる、らしい。
全適正と限界突破が被ってそうだが、全適正のお陰で苦手な事がある程度までは出来る様になるが、あくまである程度で、限界突破で、ある程度が無くなり、完璧になる。凄いね、チートだね。
まぁ、凄いね、まさか自分がこんなチート能力を得るとは思ってなかったよ。ただ、一番残念なのが、
「魔王と戦ってみたかったなぁ」
一回、勇者の気分を味わってみたかった。
いや、まぁ、良いんだけどね。
「では、今回は有り難う御座いました、勇者様」
「いやいや、俺は、別に」
「最後に来てくれたご褒美として...」
――――チュッ
「ふぇ?」
「では、またいつか」
そうして、また光に視界を奪われ、少しの気絶を果たし。俺は、地球に帰って来た。
「俺別に何もしてないと思うんだがなぁ...」
そんな一言を残し、彼は家へと帰還した。
彼の強すぎる能力の影響で、地球の方にも影響が出たのを、彼はまだ知らない。
ローファンタジーを書いて見たくて、手を出してしまいました...頑張りますので、生暖かい目でご覧ください